職人技とロボットの両輪で
よりハイレベルなものづくり

錦工業

Tec✕Tec

2023.11.27

写真左 生産技術科 生産技術・品質管理・Robot推進係 樋口 理生さん 生産技術科 生産技術・品質管理・Robot推進係 玉木 幸司さん

写真左 生産技術科 生産技術・品質管理・Robot推進係 樋口 理生さん
生産技術科 生産技術・品質管理・Robot推進係 玉木 幸司さん

製造現場では、高い品質の製品をどのように形にするかという課程も重要だ。高所作業車の土台部分や大型クレーンの先端部分など、建設機械の機能を支える重要なパーツの製造を担う錦工業では、世界的クレーンメーカーをはじめとする国内外取引先のハイレベルなニーズに応えるため、積極的な技術力強化を進めている。

ものづくりに欠かせない溶接や機械加工は熟練の職人技が求められる分野だが、同社が2023年に立ち上げたロボット推進部門は、ロボットを駆使して職人レベルのものづくりを目指す。ロボットと人の手にはそれぞれ得意・不得意があり、互いに不得意なところを補い合えるのが理想的だ。ロボットメーカー標準の動作にとどまらず、同社が求める水準までロボットの動きを人の技に近づける。そのために試行錯誤しながら独自のプログラミングを構築している。

このように技術力を強化し、ハイテクを駆使して自動・省力化することによって社員の働きやすさも確立するねらいもある。「ハイテクを駆使したスマートな環境」「最新機器のオペレート」などの環境づくりで、ハードなイメージの鉄工所の仕事を「憧れの仕事」に刷新しようとしており、事務所棟のデザインも非常にモダン。製造技術の向上から始まる職場改善や意識改革は、グループ会社である三村鉄工株式会社のイズムを守りながら現在も進んでいる。今後5年程度で造田工場に全面移転を予定。大変革は加速する。

今、担当している業務は?

生産技術課 生産技術・ 品質管理・Robot推進係 玉木 幸司さん

生産技術課 生産技術・
品質管理・Robot推進係
玉木 幸司さん

【玉木】溶接や組立など鉄工関係の現場で技術を磨き、入社してからは10年ほど生産部門を経験。生産技術部門の立ち上げに伴って、樋口さんとともにロボット化推進の担当になりました。ロボットは早くから導入していましたが、本格的なブラッシュアップは始まったばかり。職人とロボットを比べると、やはり人の技術の方が圧倒的に上ですから、ロボットを少しでも職人のレベルに近づけようと頑張っています。

【樋口】私は入社2年目のころ、現場で組立や溶接を手掛けていた時に初めてロボットが導入されたんです。知識は当時まったくありませんでしたが、少しずつ仕事を通じて操作を覚えて……。

でもメーカー標準の動作では思うようなものづくりができず、「もっと自在に動かせるようになりたい」と思っていました。今ロボット推進係で担当しているのは、まさにその部分だといえますね。

仕事の面白さややりがいは?

生産技術課 生産技術・ 品質管理・Robot推進係 樋口 理生さん

生産技術課 生産技術・
品質管理・Robot推進係
樋口 理生さん

【樋口】ものづくりを担う現場の要望とロボットの知識に基づく自分のアイデアを、いかに形にするかが難しくも面白いところです。自分自身が現場に立っていた時「こういうのがあればいいのに」と思ったアイデアが、現場に喜ばれることもあります。

【玉木】自分の次の工程を担当する人に「いい仕事だった」
と言われると、自己満足ではない嬉しさがありますね。グループ会社である三村鉄工のバックアップや社内の技術サポートもあり、ゼロベースから始めても、自分の技術が上がるほどいろんなことができると実感しています。

今後の目標を教えてください。

【玉木】ロボットもものづくりも、カギを握っているのは結局「人」なんだと思いますし、ものづくりはやはり現場が主役。我々は現場とお客様のニーズをスムーズに結ぶ架け橋として、双方との連携を密にしていきたいと思います。

【樋口】動作はもちろん、職人ならではの「感覚」をロボットに覚えさせるプログラミングを目指しているので、技術そのものの理解とロボットの知識、両方が求められます。その点では、まだまだロボットの能力を十分に引き出せていません。学習し続けて、現場の仕事が効率的に進むような環境づくりに貢献したいですね。

高校の時にやっておいた方がいいこと

玉木さん
言われた通りのことをやるだけではなく、自分なりに考え「こうしたらどうか」と提案できる力がある人は、社会人になっても非常に成長しやすいと思います。

樋口さん
僕自身、会社の中で「すごいな」と思う先輩の真似からスタートしました。憧れの人に全力でついていけば、自然と自分らしさも見つかるものですよ。

◆キーワード


生産技術

主に製品をどのように生産するか生産設計・準備・改善を行う仕事のこと。製品の質を保ちながら量産するための効率的な生産ラインの構築、現場の課題発見と解決、製造用ロボットの動きの修正、仕様変更まで手掛けることもある。生産技術部門は、設計部門の意思を反映しながらどのように量産化するか考え、製造部門につなぐ役割も果たす。生産技術の向上は材料のロス削減や作業の効率化、製品の不良率削減にもつながる。

錦工業株式会社

住所
香川県高松市春日町1520番地1
設立
1969年12月1日
社員数
60名(2023年6月現在)
事業内容
大型クレーン用重要構造部品 / 製缶 / 溶接 / 機械加工ー式 / 一般機械器具製造
地図
URL
https://nishiki-ind.com/
確認日
2023.11.16

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