計測制御技術のノウハウを活かし
企業の「脱炭素・省エネ」に貢献

四国計測工業

Tec✕Tec

2023.11.27

(写真左)エンジニアリング部 主任 小原明久さん(坂出工業高校出身) エンジニアリング部 藤田裕二さん(善通寺第一高校出身)

(写真左)エンジニアリング部 主任 小原明久さん(坂出工業高校出身)
エンジニアリング部 藤田裕二さん(善通寺第一高校出身)

環境に関する法律の改正や、2050年の達成を目指すと政府が宣言したカーボンニュートラルなど。社会が変わる中で、企業が事業活動する際には、環境への配慮が求められるようになった。

取り組むべきは省エネ、脱炭素、排出する大気・水の適正な処理など多岐にわたる。そのための設備やシステム導入も必要だが、コスト面や現在ある設備とうまく組み合わせられるかといった課題を抱える企業も多い。

四国計測工業は、厳しい基準が求められる発電施設の監視装置、制御システムを手掛けた技術を活かし、企業の環境対策を支える製品を開発している。例えば、排出抑制が法律で定められた排ガス(VOC)処理装置設置の際は、処理の排熱を製品製造に再利用できる装置を開発し、ランニング
コストの抑制だけでなく省エネも実現した。

また、排水処理装置、省エネ・空調設備、監視システムなども手掛ける。いずれも、既存施設を活かしながらコストを抑え、開発からメンテナンスまで一貫して行うのが特徴だ。それが可能なのは、環境ソリューション事業を担当するエンジニアリング部で、各工程の知見を身に付けられるようキャリアチェンジを積極的に進めているから。広い視野で提案・製造ができる技術者が、企業ごとに異なる細かいニーズに応えている。

これまでのキャリア、 携わった業務は。

エンジニアリング部 主任 小原 明久さん(坂出工業高校出身)

エンジニアリング部 主任
小原 明久さん(坂出工業高校出身)

【小原】排ガス(VOC)処理装置の設計に携わりました。コスト面でなかなか導入に踏み切れない企業も多い中で、ただ処理するだけではなくいかにランニングコストを抑えるかが課題でした。

そこで考えたのが、VOC処理の際に出た熱を、製品を製造するエネルギーとして再利用できないかということ。触媒を使って排ガスを処理する装置は、触媒を化学反応させ有害成分を除去します。

この化学反応により発生する熱を回収し既存の生産ラインとつなぎ、再利用できるようカスタマイズしました。また、最適な運転状態を維持するように、発電施設で培った計測制御技術を織り込んでいます。

【藤田】私は施工管理部門からキャリアをスタートしました。施工管理は設備の設計図をもとに、施工のために必要な図面をつくり、電気系統の配線やダクトの取り付けなども含め、実際に装置を据付けしています。

施工図をつくる際は、どの素材を使うか、サイズや配置場所は、ダクトや配線をどういうルートで通すかといったことを考えながら進めます。時には、現場に合わせて設計部門に変更をお願いすることもあります。

難しいところ、 おもしろいところは?

エンジニアリング部 藤田 裕二さん(善通寺第一高校出身)

エンジニアリング部
藤田 裕二さん(善通寺第一高校出身)

【藤田】「こんな狭い隙間に!?」という場所に配管やダクトを通すという時は、現場の寸法をすべて洗い出してここなら大丈夫という場所を見つけたり――。どれ一つとして同じ現場はないので、そこにいかに合わせていくか。難しいけれどおもしろいです。

【小原】既存の設備に影響が出ないよういかにうまく組み合わせるか、設計で試行錯誤しています。あとは、「何か省エネできないか」という相談をもとに実際に現場に行ってお話を伺いながら、一番いい提案を考える仕事はやりがいがあります。導入した設備が期待以上の成果でお客様に喜んでもらえると嬉しいです。

キャリアチェンジした経験は 活かされていますか。

【藤田】施工管理から設計になって1年目です。現場で「こう設計すれば作業効率が上がる」と感じていたことを、設計に活かせると感じています。

【小原】発電所の計装・制御機器のメンテナンスや改修などに携わっていました。高いレベルの品質が求められる現場を知っている経験は大きいです。今後も開発・設計、施工、メンテナンスすべての知識や技術を身に付けて、お客様の課題や細かいニーズに応えていきたいと思います。

高校の時にやっておいた方がいいこと

小原さん
どんなことでもいいので目標を決めて、達成するための要素、計画を立ててみてください。あと、疑問に思ったことは自分で調べて解決するくせをつけるのもおすすめです。

藤田さん
部活動や学校行事に積極的に参加して、いろいろな人とコミュニケーションをとる、多様な考え方に触れること。資格取得もいいと思います。

◆キーワード


カーボンニュートラル

 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、植林、森林管理などによる吸収量を差し引いたものを実質ゼロにすること。実現のためには、温室効果ガスの排出抑制のほか、森林保全などの活動を行う必要がある。政府は「2050年カーボンニュートラル」を目指すことを宣言している。

四国計測工業 株式会社

住所
香川県仲多度郡多度津町南鴨200番地1
代表電話番号
0877-33-2221(FAX. 0877-33-2210)
設立
1951年12月
社員数
799名(2024年3月現在)
事業内容
自動計測制御装置・情報伝送システムの設計・製作・施工、
電力量計・変成器の製造、計装設備の設計・工事・保守、
産業用自動化・省力化装置の設計・製作、環境分析 他
高松オフィス
高松市サンポート2番1号 高松シンボルタワー28階
TEL. 087-811-2501/FAX. 087-811-2502
資本金
4億8000万円(四国電力株式会社の100%子会社)
地図
URL
https://www.yonkei.co.jp/
確認日
2024.09.19

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