計測・制御技術を活かして「見える化」
顧客の課題を解決する

四国計測工業

Tec✕Tec

2024.09.16

写真左より 電子応用システム部第二課 藤原 礼地さん(観音寺総合高校出身)、 マーケティング開発部営業開発課 羽野 智也さん(香川高専詫間出身)、 電子応用システム部第一課 穐山 量さん(香川高専詫間出身)

写真左より 電子応用システム部第二課 藤原 礼地さん(観音寺総合高校出身)、
マーケティング開発部営業開発課 羽野 智也さん(香川高専詫間出身)、
電子応用システム部第一課 穐山 量さん(香川高専詫間出身)

四国計測工業の「YONKEIコネクト」

センサーがデータを計測、その情報をコンピューターが処理してモーターなどの動作を制御する「計測・制御システム」は、家電をはじめ工場など様々なところで使われ、システムをIoT化すれば、モバイル端末などからも稼働状況を確認できる。四国計測工業は、厳しい基準が求められる発電施設の監視装置、計測・制御システムを手掛ける高い技術を活かし、顧客の課題を解決するクラウド型監視制御システム「YONKEIコネクト」を開発した。

きっかけは、高知県立牧野植物園から水の使用状況を「見える化」したいという依頼だった。これまでは、広大な園内に複数配置されている貯水槽の水がなくなって散水やレストランの営業に影響が出ないよう職員が定期的に巡回確認しており、これが大きな負担になっていた。

そこで、水位やメーターの流量といったセンサーからの複数のデータをクラウド上で一元的に監視、タブレットなど園内のどこからでも機器の運転操作ができるようにした。また、今まで貯水槽の水位減少に合わせて自動的に補水していたが、降水確率などをもとに雨が予測される場合はあえて手動で散水用の貯水槽の補水をやめるといった柔軟な運用も可能にした。システム導入により職員の負担軽減のほか、水の効率的な利用でコスト削減など様々な効果があった。

システムの最大の強みは「電力の使用状況も見える化したい」「完全自動化」といった今後出てくる可能性のある要望に合わせて柔軟にカスタマイズできる点。システムのさらなる進化とともに、食品工場や製造業など様々な現場への提案も目指している。

「YONKEIコネクト」開発ではどのような業務に携わりましたか。

電子応用システム部第二課 藤原 礼地さん(観音寺総合高校出身)

電子応用システム部第二課
藤原 礼地さん(観音寺総合高校出身)

穐山 部署を横断したメンバーが集まり、ソフト開発の企業とも連携しながら開発が始まりました。その中で、主にシステムの仕様設計に携わりました。

藤原 普段は放流警報装置をはじめ、製品の品質を保つための検査業務を担当しており、プロジェクトでもその役割を担いました。

難しかったことは何ですか。

穐山 まず、私が普段携わっているアナログ移動無線システムと、クラウド型では当然ですが全く技術が違う点が難しかったです。また、水位や流量といった異なるデータをどのように処理して表示するのか、各所から非同期で集まってくるデータを時系列で並べるには……と、試行錯誤しながらチームで進めました。大変でしたが想定通りに画面が表示された時は嬉しかったです。

藤原 実際の製品が仕上がった段階で、きちんと稼働するか、端末からデータ送信した際の反応や画面にどう表示されるかといった様々な観点から検査をしますが、初めての分野なのでその動作で正解かどうかが分からない場合もありました。設計担当に確認しながら、仕様書もしっかり読み込んで進めていきました。画面で各所に配置されたセンサーからのデータが随時動いているのを見た時は、ようやくここまできたという達成感がありました。

プロジェクトを通してどんな変化がありましたか。

電子応用システム部第一課 穐山 量さん(香川高専詫間出身)

電子応用システム部第一課
穐山 量さん(香川高専詫間出身)

藤原 例えば、AIについての知識が深い人など、様々な部署の専門家と仕事をすることで、他分野の技術や知識を知ることができたのはいい経験でした。プロジェクトを通して、今後発展していく分野に関わることができている、という実感がありました。
また、これをきっかけに、機能だけではなくユーザー目線からの視認性や操作性についても興味が出てきました。自分の専門である検査業務についても、視野を広げてもっと検査の観点を増やしていきたいと思います。

穐山 データを扱う上でのセキュリティの仕組みについて、とても勉強になりました。それと、画面のデザインについても知識を深めたいです。必要なデータを分かりやすく表示するにはどんなデザインが最適か、あとはユーザーインターフェース関連の研修にも参加したいと考えています。

◆キーワード


クラウド

インターネットを経由してサーバーやソフトウェアなどを必要な時に必要なだけ使用できるサービス。パソコンだけではなく様々な端末でどこからでもアクセスできる、コストが抑えられる、ユーザーが設定を自由に変更できる、使った分だけ料金を支払えるといったメリットがある。業務の効率化にもつながるため、現在約7割の企業がクラウドサービスを利用している。

四国計測工業 株式会社

住所
香川県仲多度郡多度津町南鴨200番地1
代表電話番号
0877-33-2221(FAX. 0877-33-2210)
設立
1951年12月
社員数
799名(2024年3月現在)
事業内容
自動計測制御装置・情報伝送システムの設計・製作・施工、
電力量計・変成器の製造、計装設備の設計・工事・保守、
産業用自動化・省力化装置の設計・製作、環境分析 他
高松オフィス
高松市サンポート2番1号 高松シンボルタワー28階
TEL. 087-811-2501/FAX. 087-811-2502
資本金
4億8000万円(四国電力株式会社の100%子会社)
地図
URL
https://www.yonkei.co.jp/
確認日
2024.09.19

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