今秋、本格的に販売を始めるのが食材の熟成を促す「Aging Booster(エイジングブースター)」だ。ワインセラーにヒントを得たスマートなデザインで、上段が熟成庫、下段が保管庫(冷蔵庫)になっている。
同社で製造している加熱装置の技術を応用したもので、仕組みは電子レンジに似ている。熟成させる食材は、肉やチーズなどを想定。食材内部のみを加熱することで酵素が活性化し、うまみが増す。食材の内部と表面の温度は個別に制御でき、雑菌の繁殖や腐敗を防ぐため、表面温度は低温に保つ。
牛肉を熟成する場合、通常は低温の冷蔵庫に2週間~数カ月保存したり、酵素の活性化を促すために肉の表面に微生物を付着させたりする。肉の表面が変色するため、かなりの量をそぎ落とさなければならないという。エイジングブースターを使うと、3~5㌔のブロック牛肉は3~7日で熟成可能で、表面のカット量を少なくすることができる。
事業開発部の國井勝之さんは「電気や化学は得意分野ですが、生ものの扱いには苦労しました」と話す。客観的な評価を知るために、食肉科学技術研究所でエイジングブースターで作った熟成牛肉とそうでない熟成牛肉、そのままの牛肉を比較。エイジングブースターのものは旨みやコクが多いと感じられ、旨みのもととなるグルタミン酸が増えているとの結果が得られた。
このほかに10台デモ機を用意し、要望のあった全国の飲食店へ貸し出す。どんな食材を何℃で何日間熟成させたかなどの情報を集め、四国計測工業ではレシピ集を作る予定だ。「アイデア次第で調理の幅は広がります。どんどん使っていただきたい」とマーケティング営業部の森岡逸人さん。
エイジングブースターは本体価格150万円で販売予定。3年で1億円の売上を目指す。高機能タイプのものも開発中だ。
四国計測工業 株式会社
- 住所
- 香川県仲多度郡多度津町南鴨200番地1
- 代表電話番号
- 0877-33-2221(FAX. 0877-33-2210)
- 設立
- 1951年12月
- 社員数
- 799名(2024年3月現在)
- 事業内容
- 自動計測制御装置・情報伝送システムの設計・製作・施工、
電力量計・変成器の製造、計装設備の設計・工事・保守、
産業用自動化・省力化装置の設計・製作、環境分析 他 - 高松オフィス
- 高松市サンポート2番1号 高松シンボルタワー28階
TEL. 087-811-2501/FAX. 087-811-2502 - 資本金
- 4億8000万円(四国電力株式会社の100%子会社)
- 地図
- URL
- https://www.yonkei.co.jp/
- 確認日
- 2024.09.19
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