
写真左より 技術部 技術1課 主任 南木俊彦さん(坂出工業高校出身)
第一製造部 第2生産課 山本将吾さん(多度津高校出身)
第二製造部 金型課 係長 西村凌一さん(坂出工業高校出身)
「丸いもの」の加工を得意とする山城金属では、部品をμm単位で仕上げた金型を使用し、プレス加工で大量生産できる点が強み。ベアリング用シールドなどの部品は自動車の滑らかな回転運動や高い安全性を支え、軽自動車から高級車まで様々な車に使われている。
精度の高い製品を製造できる理由はまず、正確な金型。プレス加工は、上下2つの金型の間に金属の板を挟んで圧力をかけ型通りに仕上げていく工法だが、材料となる金属の素材や厚さ、縦横で違う伸び縮みのクセを
考えながら金型を作る必要がある。1回のプレスでは成形できない複雑な形は、多いもので10工程、それぞれ別の金型を使って仕上げる。その金型設計から製作、試作、製品製造まで一貫して行えるのも特徴だ。
ほかにも、品質に影響を与える金型の変化にいち早く気づいてメンテナンスする技術、素材に応じてプレスの圧力やズレなく材料をセットできるよう調整する技術など。すべての工程で技術者たちは「精密」を追求している。
「真円」を目指す中で、難しいところは。

第二製造部 金型課 係長
西村 凌一さん(坂出工業高校出身)
【山本】工程が多い製品は、上下合わせて20ぐらいの金型をセットします。材料を次の工程の正しい位置まで自動で送るための「フィンガー」という部位の調整は、少しでもずれるとプレスする位置が変わるので難しいです。
多種多様なニーズに対応するため金型の種類も多いのですが、スムーズにセットできた時はすぐに製造に取り掛かれるので生産効率アップに貢献できたと感じます。

技術部 技術1課 主任
南木 俊彦さん(坂出工業高校出身)
また、今までにない形状の金型をつくる時はアイデアを出しながら試行錯誤します。思い通りにいかないことも多いですが、実際に調整してみて自分が想定した通りに仕上がった時は嬉しいです。
今後、取り組んでみたいことは。

第一製造部 第2生産課
山本 将吾さん(多度津高校出身)
【山本】今は金型のメンテナンスを担当の人にお願いしていますが、自分でもできるようになりたいと思いメンテナンスについて勉強中です。
【西村】まだまだ知らない金型があるので、自分が関わっている以外の金型も扱えるようになりたい。会社で扱う製品を全体的に理解することで、改善点や提案など違った視点で仕事に取り組めると思います。
高校の時にやっておいた方がいいこと
作業として仕事をこなすのではなく、もっと追求したいという思考になってほしい。自分から動くことを意識して。
南木さん
失敗を恐れて縮こまると次のステップにつながりません。学校生活でも思い切って挑戦を。
山本さん
仕事は一人でできない。だから今から先輩後輩、先生などまわりの人との関係性を大切に。
◆キーワード
真円度

山城金属株式会社
- 住所
- 香川県丸亀市綾歌町岡田上1785
- 代表電話番号
- 0877-86-3135
- 設立
- 1961年12月
- 社員数
- 本社工場 31名 満濃工場 119名 計 150名(2023年9月現在)
- 事業内容
- 金属プレス加工製品の製造
メカニカルシール用部品、エアーバッグ用小物部品、ベアリング用シールド、オイルシール用芯金、ベアリングシール用芯金、精密プレス加工部品他 - 地図
- URL
- https://www.yama-shiro.co.jp/
- 確認日
- 2024.05.16
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