決断と工夫で困難を乗り越える

山城金属株式会社

column

2025.01.30

1965年ごろの工場

1965年ごろの工場

モノの回転を滑らかにする役割があり、自動車をはじめ製造現場のあらゆる機械に使われているベアリング。そのベアリングを異物の混入やサビから守る「シールド」を中心に“丸いもの”のプレス加工に定評のある山城金属。その始まりは1927年に創業した山城板金だった。

当時は金属を使った神社の屋根などを手掛けていたが、大手メーカーの電気メーターを収納するボックスなども製造するように。「その板金加工やプレス加工の技術が認められ、自動車用ベアリングを手掛けるメーカーから部品製造の依頼がきたことが、大きな転換点でした」と代表取締役会長・山城秀一さんは振り返る。

それを機に1961年に山城金属工業所を創立(83年に山城金属(株))。モータリゼーションの進展や高度経済成長による家電の普及で、生産量も増えていった。プレス加工は、金属の板に金型を当てて圧力をかける加工方法で、製品の品質は金型の出来に左右される。「当時は金型を外注する会社が多かったんですが、うちは近くに発注先がなく輸送コストを考えると自社でつくるしかない。新しい製品の金型づくりは苦労しましたが、それが金型の設計から手掛ける現在の自社の強みにつながっています」という。

取引先の企業再編を受けて手掛ける製品が変わった際も、精巧な金型と製造方法の工夫で対応。厳しい品質管理が求められる自動車関連部品の製造に備え、いち早くISO9002も取得した。「オイルショックやリーマンショックで受注が減った時は大変でした。時代の流れや取引先の状況に影響を受けることも多いですが、柔軟に対応できる体制を整えたいと考えています」。

どんな金型をつくり、それをどう組み合わせるかで生産効率を上げることができる。人手不足の現在、そういった工程の工夫に加え、受注の増減にも対応できるよう省人化も進めていく。また、新規製品に備えた設備投資も検討している。

山城金属株式会社

住所
香川県丸亀市綾歌町岡田上1785
代表電話番号
0877-86-3135
設立
1961年12月
社員数
本社工場 31名 満濃工場 119名 計 150名(2023年9月現在)
事業内容
金属プレス加工製品の製造
メカニカルシール用部品、エアーバッグ用小物部品、ベアリング用シールド、オイルシール用芯金、ベアリングシール用芯金、精密プレス加工部品他
地図
URL
https://www.yama-shiro.co.jp/
確認日
2024.05.16

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