
写真左:第二製造部 第4生産課 主任 田鍋成基さん(多度津高校)
写真右:技術部 技術1課 前田陸斗さん(坂出工業出身)
山城金属の「QC活動」
山城金属は、設計から組み立てまで自社で手掛けた精密な金型を使ったプレス加工技術に定評がある。「丸いもの」の加工を得意とし、自動車の滑らかな回転運動を支えるベアリング用シールドなどを製造。ゆがみのない「真円」を目指す高度な加工技術を活かして新たな顧客を獲得するため、様々な取り組みを進めている。
その一つがさらなる品質の向上だ。品質改善のため現場の従業員が小グループに分かれて自主的に意見を出し合い、実際の行動につなげる「QCサークル活動」を実施している。社内に約20のグループがあり、資材発注から入荷・管理、製造、品質検査、出荷まで、自分が主に携わる業務について話し合う。さまざまな業務の現場で活動が行われるため、コスト削減や安全性向上など改善点は多種多様。年に1度は、各グループの活動を発表して情報を共有している。
そのほか、自社サイトのリニューアルも進め、独自の技術や四国トップクラスの数を誇る自動プレス設備の導入状況などを積極的に発信し、受注につなげている。今後は技術を継承する制度づくりや人材育成、人事評価制度の見直しにも取り組んで技術力をさらに高め、新たな形状の商品製造も見据えている。
精度の高い製品をつくるために心掛けていることは。

第二製造部第4生産課 主任 田鍋成基さん(多度津高校)
前田 金型をつくる業務を行っています。一つの金型は、20個以上の部品からできていて部品一つひとつのサイズ、組み立て方次第で「真円度」が変わってくるので、細心の注意を払います。難しい業務ですが、すべてがぴたっと決まると嬉しいです。
品質向上のためにどんな活動をしていますか。
前田 以前は製造部に所属していたので、現在の業務はまだ1年ほど。キャリアが浅いからこそ新鮮な視点でどんどん意見を言ってほしいと先輩も言ってくださるので、「分割していたこの部品は一体化できるのでは」と提案したこともあります。製造部門での経験を活かし、現場で課題になることを金型製作の段階から改善できないかということも考えたいです。
今後、取り組んでみたいことは。

田鍋 後輩も増え、個々のキャリアや特徴を見ながらどの作業を担当してもらうかを考える立場になったので、コミュニケーションしながら後輩とベテラン技術者をつなぐ役割もできれば。仕事がしやすい環境づくりをしたいと思います。あとは、一人の熟練技術者に頼るのではなく会社全体で知識や技能を共有し、業務標準化を進めたいと考えています。
◆キーワード
QC

山城金属株式会社
- 住所
- 香川県丸亀市綾歌町岡田上1785
- 代表電話番号
- 0877-86-3135
- 設立
- 1961年12月
- 社員数
- 本社工場 31名 満濃工場 119名 計 150名(2023年9月現在)
- 事業内容
- 金属プレス加工製品の製造
メカニカルシール用部品、エアーバッグ用小物部品、ベアリング用シールド、オイルシール用芯金、ベアリングシール用芯金、精密プレス加工部品他 - 地図
- URL
- https://www.yama-shiro.co.jp/
- 確認日
- 2024.05.16
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