
写真左:塗装課 住友一輝さん (飯山高校出身)
写真右:電着塗装課 課長 上田英吾さん (丸亀城西高校出身)
四国塗装工業の「全自動電着塗装ライン」
中でも、水溶性の塗料を溜めた槽に機械を浸し電気で塗料を密着させる「電着塗装」は、保護力が高く塗料のロスも少ない技法で、自動車業界をはじめ高いニーズがある。
この電着塗装を全自動で行える、中小企業としては非常に珍しい設備力が四国塗装工業の特長だ。板金から下塗り・上塗りまでの一貫体制を四国塗装工業グループとして確立し、安全かつ効率的・高品質な塗装技術で、受配電盤や工作機械、農業機械などの金属塗装分野で強みを発揮している。
技術者はほとんどが入社してから塗装のノウハウを学ぶが、ゼロからでも約3年で一定レベルの技術が身に付く教育体制だ。資格取得支援などのサポートが手厚く、約半数が国家資格「塗装技能士」1級を取得済み。全自動化ラインをより効率よく運用するためには、人の目と手でコントロールが必要な部分も多く、一人ひとりの学ぶ意欲の高さが現場全体のレベルアップにつながっている。
現在担当している業務は。

塗装課 住友一輝さん(飯山高校出身)
上田 私も当社で働く友人に誘われて転職を決めました。造船業界で溶接にかかわっていましたが、塗装は入社後に身につけた技術です。今は当社に運ばれてきた製品の受け入れ・積み下ろしに始まり、ライン全体を見守りつつ納期・生産管理を担当しています。扱う製品は配電盤をはじめとする「箱」ものを中心に農機具からクレーン車などの建機まで、サイズも形も用途もさまざまです。自動化しているため上塗り工程のような職人技とは少し違いますが、塗装する対象を溶剤の入った槽に漬ける際の「吊るし方」「沈め方」には人間の感覚が必要で、吊るし方によって1日の作業台数が変わることもある。目に見えない技術力ではありますね。
今後、力を入れていきたいことは。

電着塗装課 課長 上田 英吾さん(丸亀城西高校出身)
上田 私は現場作業から管理業務に重点が移り、多種多様な溶剤を現場が正しく扱い、溶剤を入れ替える際もロスなく、段取りよく動けるように差配するのが重要だと感じています。自分の差配で実際に生産力が上がったのは自信につながりました。今の目標はメンテナンスなど設備にかかわることを自分でこなせる知識と技術を身につけること、管理職としては、現場の動線から人間関係まで、みんなが働きやすい環境をつくることです。当社に入るまではやりたいことが具体的に見えていませんでしたが、ここで経験を積んで目標や生きがいが生まれたと実感しているんです。
◆キーワード
電着塗装

四国塗装工業株式会社
- 住所
- 香川県丸亀市川西町北1698番地1
- 代表電話番号
- 0877-24-0294
- 設立
- 1973年12月13日
- 社員数
- 115人(グループ)
- 事業内容
- 電着塗装、焼付塗装、金属塗装、スクリーン印刷
- グループ
- 竜王金属株式会社(薄板板金加工、各種溶接加工)
株式会社春日(電着塗装、海外調達)
協同組合エフォートかがわ(材料・資材の共同購入)
- 地図
- URL
- https://www.shikokutosou.co.jp/
- 確認日
- 2024.07.04
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