街の光は仕事の証!
インフラを支える職人技

三友電工

Tec✕Tec

2024.03.21

三友電工の「つなぐ技術」

発電所でつくられた電気は、変電所を中継して配電され、地域の暮らしを支えている。その過程で超高圧送電を担う「特別高圧電力ケーブル」の布設・接続、メンテナンス、古いケーブルの撤去までを施工できる全国でも珍しい自社一貫体制が、三友電工の強みだ。

「山の上から街の夜景を見下ろした時、目に映る明かりを結んでいるのが私たちの仕事です」と、2024年9月に代表取締役社長に就任した寺井誠二さん。技術者は鉄塔の上やマンホールの中、瀬戸大橋の管理エリアなど、普段立ち入ることができない特別な場所で作業することが多く、「一般的にはイメージしづらい業務ですが、実際の現場を知るとワクワクしますよ。インフラを支えるかっこいい仕事だと自負しています」。手掛ける現場は全国・海外におよび、ケーブルは20~30年サイクルで更新が必要なこともあり、10年スパンで安定的なニーズがある。

長大なケーブルを現場に正しく配置する「布設」と、電気が正しく通るようケーブルとケーブルをつなぎ合わせる「接続」は、社会への影響もケーブルのスケールも大きいが、一方ではミリ単位の調整が求められる精密な仕事でもある。特殊な技術であり、あらかじめ身につけて入社する人はほとんどいないため、職人技ともいえる高度な技術を身につけた人材は業界でもニーズが高い。同社は教育やスキルアップに重点を置く環境を整え、誇りを持って「街の光をつなぐ」技術者たちを育成している。

現在担当している業務は。

技術者 馬場晋作さん(香川高専高松出身)

技術者 馬場晋作さん(香川高専高松出身)

馬場 布設・接続・メンテナンス・撤去の4工程のうち、最初の「布設」を担当しています。専門機材や特殊車両を動かして、ケーブルを現場に配置していく仕事です。最初にマンホールの中に入った時は「こんなものが地下に埋まっているのか!」と驚きました。入社してから中型免許を取得したほか特殊車両の講習を受け、今の業務について約3年。現場全体の情報を集約し、自分が操作する機械の手応えによって「どのくらいの出力にするか」「いつ動かすか」「停止すべきか」といった状況を総合的に判断します。私のミスが数カ月がかりの仕事の失敗につながりますから、責任は重大。その分、後工程の接続がうまくいったと聞くと、自分の仕事にも達成感を感じます。

白石 私は布設後にケーブルをつなぐ「接続」の担当で、本格的に携わるようになって1年半くらい。敷設・メンテナンス・撤去については専門業者もいますが、接続は本来ケーブルメーカー主導の技術で、ジョインターと呼ばれる接続技術者は全国でも数えるほど。メーカー外で手掛けられる企業は四国では当社のみです。太いケーブルを1ミリ単位で調整しながらつないでいくシビアな作業で、最終テストでちゃんと電気が通っていることがわかると、一番「やり切った!」感がありますね。現場の難易度はさまざまですが、難しいほど達成感も大きくて楽しいんです。

今後、力を入れていきたいことは。

技術者 白石巧大さん(今宮工科高校出身)

技術者 白石巧大さん(今宮工科高校出身)

馬場 今のところミスなく乗り越えてきたのは、事前の準備や終了後の機械のメンテナンスを人任せにせず、必ず自分で念入りにチェックするよう心掛けていたことも大きいかもしれません。同じ現場はないし、機械によって性能も違いますから、センスと経験が問われる仕事だと思っています。今後は布設のスキルを磨きつつ、ジョインターのニーズが高いことやジョインター育成に積極的な社風を踏まえて、接続技術をもう少し本格的に学んでみたい。チャンスを柔軟に与えてくれる環境だから、スキルアップを目指しやすいと思います。

白石 接続はかなり繊細な技術で、私はまだまだ未熟。班長の指導を受けて作業することが多く、責任ある立場を務めた経験がありません。現場経験ももちろんですが、社内に訓練設備が整っていて訓練時間も業務とみなしてくれるなど、スキルを磨けるチャンスが多いのはとても助かります。班長クラスを目指すにはケーブルメーカーの認定試験に合格する必要があり、まずはそれを当面の目標として頑張りたいと思っています。

◆キーワード


送電

発電所でつくられた電気は超高電圧から変電を繰り返し、徐々に電圧を下げながらまず鉄道や大規模工場、大規模ビル・中規模工場、小工場、住宅などへと送られる。電流が送電線を流れるときに電気抵抗のため発熱するが、この熱の分だけ電気にロスが出るためまず超高電圧で送電することでロスを少なくしている。送電線も電圧によって違う構造が採用され、電気を効率的に送る工夫がされている。

株式会社三友電工

住所
香川県高松市塩江町安原下第2号967
代表電話番号
087-897-0732
設立
平成2年9月1日
事業内容
6000ボルト〜50万ボルト 電力用ケーブル布設工事
6000ボルト〜15.4万ボルト 電力用ケーブル接続工事
原子力・火力・水力発電所関係電力ケーブルメンテナンス工事
地中送電線(地中埋設電力ケーブル)電力ケーブルメンテナンス工事
洞道内(電力用トンネル内)照明設備・監視システム関係設備の据付工事
防災工事
通信用光ケーブル接続工事
地図
URL
http://kk-sanyu.co.jp/
確認日
2024.03.21

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