例えば、吉野川管内で管理する早明浦ダムは、水道・農業・工業用水を安定して供給する「利水」以外に、洪水時に下流の被害を防ぐ「治水」「発電」といった目的がある。気象状況を予測しながら日々、放流量を調節するほか水質の監視も行う。
洪水時には洪水調節に使用する容量を確保し、さらに下流域の被害予測がある場合は、数日前から少しずつ放流し水位を下げておく。雨が降り始めたら数時間後の流入量を見極め、的確に放流量を調節し被害を防ぐ。そこには蓄積されたデータ、技術者の知識や経験が活かされる。
近年、気候変動による災害リスクが高まり、ダムの治水機能向上が求められている。そこで、今まで以上に洪水調節機能を高める「早明浦ダム再生事業」が始まっている。
早明浦ダム再生事業のきっかけは 何ですか。
【谷中】年間の総雨量に大きな変化はないものの、降り方が変わり災害リスクへの対応がより求められるようになりました。
事業の具体的な内容は。 運用はどう変わりますか。
この事業では、新たに必要となる放流設備を増設して無駄なく効率的に放流できるようにします。
【谷中】現在、放流ゲートはダムの上部に設置されており、その位置に水位が達するまで放流できません。そこで、ゲートより下の位置に穴をあけて放流設備を増設することで、低い貯水位でも放流能力を確保できるようになります。
現在、事業はどこまで進んでいますか。 また、今後に向けては?
【鈴木】工事を進めながら同時に、良質な水を安定的に供給し続けなければならない。より気を引き締めて私たちの技術や知見を発揮していきたいと思います。
高校の時にやっておいた方がいいこと
いろいろなことに興味を持って、疑問があれば深く調べてみるのもいい。いろいろな経験が社会人になってからの力になります。
谷中さん
様々な人と協議、調整する最前線の現場を経験したので、様々な人と接してコミュニケーション能力を磨いておくのは大切だと実感します。
◆キーワード
ダムの洪水調節
水資源機構
- 住所
- 香川県高松市天神前10-1
- 代表電話番号
- 087-835-6600
- 地図
- URL
- https://www.water.go.jp/yoshino/kagawa/index.html
- 確認日
- 2023.11.27
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