コロナ禍を、健康生活を見直す機会に

香川大学四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構 長谷川修一

column

2021.06.03

新型コロナウイルス・パンデミックも2年目に入り、変異株による感染が急速に拡大している。この1年間で、感染予防に関する情報提供や要請が繰り返された。しかし、感染した場合、重症化を予防するためには普段からどのような生活を心がければいいのか(防災)、感染した時にどのように生活したらいいのか(減災・縮災)について、具体的な情報提供や要請がないのが不思議である。重症化の予防は、医療崩壊を防ぐだけでなく、国民の免疫力を高め、健康な生活を送るために不可欠だと思うのだが。

新型コロナウイルスに感染して重症化するリスクは、生活習慣病があると高くなるといわれている。そう考えると、生活習慣病のリスクが高い人と高齢者(私はともに合致)の重症化リスクが高いのも理解できる。一方、重症化の原因は、免疫機能の過剰反応であるサイトカインストームと血栓の形成と報告されている。そうならば、免疫機能の暴走を防ぐために、また血栓ができやすい動脈硬化を予防するために、改めて生活様式を見直し、改善したいものである。

自宅に巣ごもりして、飽食と運動不足になれば、生活習慣病を進行させかねない。しかし、人の集まる場所への外出は感染リスクが高い。そこで、ヨガなどで心身を整えるのもいいだろうし、自宅の周辺をハザードマップ手に散歩してみのるのも一案。また、「讃岐ジオサイト探訪」で検索すると、香川県内のジオ(地形と地質)に関する知られていないコースが紹介されている。感染対策を徹底した上で、日光を浴びて散歩すれば、免疫機能を高めるビタミンDがつくられ、血流もよくなる。
コロナ禍を機に、真の意味で生活様式を見直し、健康な人生を送るきっかけにしたいものである。

長谷川 修一 | はせがわ しゅういち

1955年 島根県生まれ
1974年 愛光高校 卒業
1978年 東京大学理学部地学科 卒業
1980年 東京大学大学院理学系研究科修士課程
    (地質学専門課程) 修了
    四国電力 入社
2000年 四国電力 退職
    香川大学工学部助教授
2002年 香川大学工学部教授
2017年 香川大学工学部長
2018年 香川大学創造工学部長

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