出会いから多くを学びたい

日本たばこ産業 四国支社長 丸山陽平さん

Interview

2021.06.17

今年1月に着任。「去年と同じことだけをしていたのでは、成長はありません。限界を超えていく気持ちで仕事に臨んでいます」と話す。休日の楽しみは、おいしいものを食べること。高校生の時からテニスを続けており、香川でもテニススクールに入った。週に一度のテニスが息抜きだ。

日本の技術を世界へ

P&G勤務のころ、シンガポールの懇親会で

P&G勤務のころ、シンガポールの懇親会で

大学では工学部で、有機ELの素材を研究。そのころ、日本のものづくりは「ガラパゴス化」していると言われていた。「日本の技術は素晴らしいのだから、売り方に課題があるのではと疑問に思っていました」。日本の技術を世界に知ってもらおうと、マーケターを目指して、卒業後はプロクター&ギャンブル(P&G)に入社。2年目からシンガポールの拠点で働いた。

千人ほどのスタッフの中に、日本人は約100人。中華系、インド系、マレー系などいろんなスタッフがいる中、日本人は「おとなしい」というイメージを持たれていた。それを払しょくしたいと考え、懇親会で巨大な風船に入る芸を披露。「丸ちゃんコール」が起き、大盛り上がりだったという。

新事業の立ち上げを計画していた日本たばこ産業(JT)から誘いを受け、転職。偶然にも、丸山さんの父もJTの社員だった。「高校生まで社宅に住み、周りの人も優しく、愛着を感じていた会社でした」。たばこ事業以外にも新しいことができないか、事業の「種」を探すのが丸山さんの役割だった。

2017年には、イスラエルにあるベンチャーキャピタルの「コランダム」に出向。様々なベンチャー企業との出合いがあった。「イスラエルはイノベーションが多く生まれる場所。新規事業を創出できる人材になることが、会社から期待されていました」。イスラエルのユダヤ教の教えの一つ「タルムード」の言葉が印象に残っている。「出会った人から多くのことを学ぼうとする人は、世界で最も賢明である」

文化としてのたばこ産業

香川の名物「骨付鳥」を堪能

香川の名物「骨付鳥」を堪能

茨城県の加波山頂にたばこ神社があり、年に一度「キセル祭」が開催される。巨大キセルを担いで山を登り、神社に奉納するもので、地元のたばこ農家の人たちやJT従業員も参加する。「祭に参加して、たばこは商品というだけでなく、地域に根付く文化の一つだと感じました。私たちは文化継承を担っているんだと思いましたね」

たばこを楽しむ文化や空間を守っていくとともに、多様な商品を提供したいという。「加熱式たばこは競争が激しい。いろんなフレーバーを楽しめるのが、JTの『プルーム』の特長。まずは知ってもらうことから始めたい。それと同時に、望まない受動喫煙を防ぐための取り組みにもさらに力を入れていきたい」

社員がやりがいを持って働く姿を見ると、丸山さんもやりがいを感じるという。「新しい挑戦は応援したいし、提案してくれるとうれしいですね。四国支社のみんなには、仕事を楽しんでほしいと思います」

鎌田 佳子

丸山 陽平|まるやま ようへい

略歴
1983年 愛知県生まれ
2008年 京都大学工学部 卒業
     プロクター&ギャンブル(P&G)入社
2014年 日本たばこ産業株式会社 入社
2016年 コーポレート経営企画部調査役
2017年 コランダムオープンイノベーション出向
2018年 日本たばこ産業 コーポレート経営企画部 チームリーダー
2020年 コーポレート D-LAB チームリーダー
     たばこ事業本部 セールスグループ調査役
2021年 四国支社長

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ