企業のイメージアップに貢献

ウチダ 代表取締役社長 内田 浩二さん

Interview

2015.10.15

ウチダ社長の内田浩二さんと取締役の妙子さん。丸亀市の工場で

ウチダ社長の内田浩二さんと取締役の妙子さん。丸亀市の工場で

何気なく使っているポケットティッシュ。よく見ると企業名やキャッチコピーが印刷されている。丸亀市のウチダは主に紙製品を加工し、ノベルティグッズとして販売している。

社長の内田浩二さん(58)は「販促品は市販品と性格が全く違います」と言う。「使う人ではなく、配る人が顧客。商品やサービスを知ってもらうために作るのがノベルティグッズなんです。お客様のイメージアップに貢献出来るようなものを提供し続けたい」。金融機関や自治体などからの引き合いが多い。

顧客のニーズに合った商品を、自社で加工したり他社との協力で製造したりしてノベルティグッズにする。ポリ袋に社名やキャッチコピーを直接印刷する「名入れ」の加工に自信がある。ポケットティッシュ、ボックスティッシュ、ウエットティッシュ、キッチンペーパー、マスク、うちわ、カイロ・・・。顧客の声に応えるうち、扱う商品も増えた。
創業者は内田さんの父だ。愛媛県で紙の卸業を営んでいたが、うちわの製造が盛んな丸亀市に拠点を移した。その当時、夫婦で数千円を握りしめて丸亀にやって来たと言う。うちわ用の紙を卸すだけではだめだと、ポケットティッシュの販売を始め、それがノベルティグッズに使えると評判になった。そして紙製品をメインに販促品の加工・販売へと事業を拡大した。現在、丸亀市内で3つの工場が稼働している。

内田さんが社長になって12年。考えているのは攻めの経営だ。「悩んでも仕方がない。誰も動かない時期にこそ自ら動く。ノベルティグッズにも環境配慮型などの付加価値が必要です」

ウチダが展開している「茶サイクルシリーズ」は、茶殻を再利用したものだ。展示会で伊藤園の開発者と出会ったことをきっかけに、製造を始めた。伊藤園から「お~いお茶」のおまけとして、茶殻の入ったあぶらとり紙をペットボトルにセットしたいという話が持ち込まれた。これまでにない受注数に不安も感じたが、内田さんはぜひ挑戦したいと考えた。実際に商品を納める事が出来た時には、社員みんなの気持ちが一つになったと感じた。

茶殻入りのあぶらとり紙は評判が良く、大成功だった。環境面でも優れた商品であるため、伊藤園のサポートを得ながらキッチンペーパー、インソール、レターセットなどウチダのオリジナルとして茶サイクル商品をシリーズ化した。

この先単品で勝負するのは厳しいと考えた内田さんの発案で、セット商品の販売も始めた。ウチダで取り扱っている商品を予算に応じて組み合わせることが出来る。複数の商品の在庫をどう確保するかなど、社内の調整に1年を費やして2013年からスタートした。

簡易ブランケットやティッシュ、マスクをあわせた防災セットが人気だ。コンパクトで軽いためイベントなどで配布しやすく、もらった人もカバンに入れて普段から持ち歩ける。

「これまではスポットが当たることのない縁の下の力持ちでしたが、これからは自社のPRにも積極的に取り組んでいきたい」。内田さんの3人の子どもたちも社内で働く。「そろそろ責任を感じるころでは。63年続いてきた会社なんだと自負してほしい」。創業60年を機に、社名を内田紙工からウチダに変えた。挑戦を続けていきたいという気持ちから、あえて紙という文字を外したのだ。11月には第3工場に新たな機械を導入し、さらなる生産力のアップを図る。

内田 浩二 | うちだ こうじ

1957年1月 丸亀市生まれ
1979年3月 香川大学経済学部 卒業
1979年4月 日産自動車株式会社 入社
1980年4月 内田紙工株式会社 入社(現:株式会社ウチダ)
2003年4月 代表取締役社長 就任
写真
内田 浩二 | うちだ こうじ

株式会社ウチダ

住所
丸亀市垂水町3001-2
TEL
0877-28-7811
事業の概要
ノベルティ商品の製造販売(主に紙加工品)
資本金
5,000万円
社員数
57名
確認日
2018.01.04

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