
広立の皆さん。ユニホームの背中には「チーム広立」の文字が入っている。前列右から2人目が松本社長、右端が瀬尾副社長
広立
最初は2人で始めた会社が、今は15人。仕事を通じて人格が形成されていくと考え、熱意を持って社員を指導してきた。「社会貢献になればと思い、やんちゃな人材も引き受けました。みんな、立派にやってくれていますよ」。全員で話し合って、全員で決める。志は一つ。設立当時から守り続けてきたことだ。社員は「チーム広立」のメンバーだという。「社員は社長の人柄にほれています。仕事を頑張るのも恩返しの一つですね。どこよりも強い連中の集まりです」と話すのは、取締役副社長の瀬尾尊さん(56)。
しかし不景気になると、土木・建築業だけでは、経営が苦しい局面もあった。「冬の厳しさを知った者ほど、春の暖かさを知る」。松本さんはそう言い続けた。看板の製作も始め、業務拡大に伴って2007年には仁尾工場を稼働。「土木・建築の素地があるので、店舗の基礎工事から内装、看板の製作・設置までできます」と松本さん。県内にとどまらず、全国各地での施工実績がある。昨年10月に東京営業所を設け、関東での営業を開始した。

看板製作がきっかけとなって、3年前から照明の仕事にも携わるようになった。新しい反射板の開発には、現場社員のアイデアが大きな原動力となった。「家庭用のダウンライトを大型の照明に応用できないか」と考え、体育館の照明を新しくすることを提案した。
広立の反射板は、従来のものよりも光が拡散し同じ電球でも明るく見える。素材は特別なものを使わず、反射板の構造を工夫している。1000ワットの電球を使っていた照明が、400ワットの電球で代替可能に。電気代は半分に抑えられ、しかも明るい。三豊市総合体育館の照明は、広立製のものに切り替わった。
反射板の営業を担当する瀬尾さんは、「実物を見てもらえれば、明るさの違いは歴然です。これからは知的財産をいかに守っていくかが課題。もちろん、精度を高めることも必要ですね」と話す。反射板は現在、特許出願中だ。

特許出願中の反射板
松本 義一 | まつもと よしかず
株式会社 広立
- 住所
- 香川県三豊市豊中町笠田笠岡3185-6
- 代表電話番号
- 0875-62-2898
- 設立
- 1989年
- 確認日
- 2013.06.06
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