“総合力”で地域に貢献
道路、河川、耐震・構造、地質、環境、建築、電機、水力などに関する調査・計画・設計・管理を行う総合建設コンサルタントとして四国のインフラ整備に貢献。事業領域は極めて多岐にわたる。
愛媛を流れる一級河川・重信川では、所々で水の流れが途切れたり水質が悪化したりと、生態系への悪影響などが心配されていた。そこで四電技術コンサルタントが「自然再生」。生物の生息環境などを調査し、植栽や泉を引き込んで、「川の中を散策して楽しめるようにするなど、“川まちづくり”のお手伝いをしました」
地域ごとに違うニーズを的確に読み取り、「その地域は何を望み、何を必要としているか。私たちが持つ技術を結集して、調査・設計・提案し、実現を目指していきたいと思っています」
「それでも前を向け」
「発電所を絶対水に浸けるな」
高知・いの町の本川電力センターで所長をしていた2004年、台風被害で発電所が水没した。1分1秒でも早く復旧させなければならない。だが、“鉄則”に触れた代償は大きかった。発電機が動かない。どうすればいいのか…。途方に暮れていた時、電話が鳴った。
「下を向いているのと違うか?前へ、前へやぞ」
落ち込んでいるだろうと気にかけてくれた先輩からだった。「でも先輩、そうは言っても…」「それでも前や、前を向いていけ」。実はその先輩は当時大病を患い、自身も病気と戦っていた。「先輩のその言葉で吹っ切れましたね」。電力の供給を止めてはいけない。所員みんなで夜を徹して作業にあたった。復旧には数カ月かかるだろうと見られていたが、「何とか1カ月で応急復旧にこぎつけました」
“前へ、前へ”。それ以来、いつも野村さんに勇気をくれる心強い言葉だ。
“4つのC”で地域と共に
四電技術コンサルタントでは全従業員が参加して2030年までのビジョンをつくった。
「Communication(絆)」「Challenge(挑戦)」「Comfort(ゆとり)」「Charm(魅力)」
四電時代の様々な思い出が残る高知の本川電力センター。建物に向かうと、鮮やかなピンクのツツジが綴る「地域と共に」という植栽文字が目に飛び込んでくる。「これが私の原点ですね」。本川電力センターは、野村さんの初任地でもある。「地域の声を聞き、地域に寄り添い、チームの仲間と一緒にしっかり前を向いて歩んでいきたいと思っています」
篠原 正樹
野村 喜久 | のむら よしひさ
- 略歴
- 1960年 高知市生まれ
1979年 土佐高校 卒業
1983年 慶應義塾大学工学部 卒業
四国電力(株)入社
2004年 高知支店電力部本川電力センター所長
2015年 電力輸送本部水力部長
2017年 執行役員電力輸送本部水力部長
2018年 執行役員再生可能エネルギー部長
2019年 常務執行役員徳島支店長
2021年 四国電力(株)退社
(株)四電技術コンサルタント 代表取締役社長
株式会社四電技術コンサルタント
- 住所
- 香川県高松市牟礼町牟礼1007-3
- 代表電話番号
- 087-845-8881
- 設立
- 1982年4月1日
- 社員数
- 312人(2022年3月末)
- 事業内容
- 道路、河川、耐震・構造、地質、環境、建築、
電機、水力等に関する調査・計画・設計・管理 - URL
- https://www.yon-c.co.jp/
- 確認日
- 2022.12.15
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