“モノが言える”プロ集団
星電の強みは、設備工事の徹底した一貫管理にある。「この業界では、担当するのは設計だけ、工事だけ、という業者も多い。でも私たちは、設計・施工から工程管理にメンテナンスまで全部やる。それがお客さんの安心や信用に繋がっていると思います」
永原さんが掲げるのは「実修実証」の精神。高い技術や技能を修め、身につけたものを社会に示し、役立てていく。香川ともゆかりがある京都・醍醐寺の開祖、理源大師が遺した言葉だ。「確かな技術と知識を身につければ、図面や工程の良し悪しを判断できる。良くない箇所があれば『こうした方が良い』と指摘し改善できる。人に言われてやるだけじゃなく、自ら考え実行する。そんな“モノが言える”人間を育てていきたいと思っています」
「低炭素社会」実現に貢献
温室効果ガスと言えばCO2を思い浮かべるが、CO2の数百~1万数千倍の温室効果を持つのが「フロンガス」だ。
「空調機には、熱をコントロールする冷媒の役目を果たすフロンガスが欠かせません」
そこで永原さんが取り組んでいるのが溶接技術の訓練だ。星電本社の隣に研修所を設け、協会会員企業の技術者向け研修会を定期的に開いている。「本来なら、他社の技術者を訓練することなんてないんです。『星電はきちんとやってくれるので星電に頼もう』となるので。でも、そんなことは言っていられない。業界で一丸となって地球温暖化を防いでいく。自分たちのことだけを考えるのではなく、もっと広い視野を持たなければなりません」
今に繋がる世界巡った日々
海員学校などで学び、外国航路を回る船の機関士になった。仕事は発電機やエンジンの修理など。1年のうち10カ月は船に乗り、2カ月は休む、という生活を7年程続けた。「思い出を挙げるときりがありませんが、中でも印象深いのはいろんな国の人と出会えたこと。日本人とは考え方が全く違いますから」
世界100カ国程を回ったところで陸へ上がり、人生次のステップへ。厨房機器メーカー勤務を経て、1985年、28歳で起業。空調機器のメンテナンス業を始めた。
最初は分からないことだらけ。教えてくれる人もいない。様々な現場に足を運び、スケッチしたり写真を撮ったり…独学で少しずつ技術を身につけていった。すると、「人が足りないから応援に来て」と声がかかるようになり、メンテナンスから設計・施工へと領域を広げていった。「苦しいことばかりでしたが、今振り返ると楽しかったですね」
社名の「星」には強い思いがある。「船はレーダーや無線が壊れても星があれば大丈夫。目的地へも行けるし、帰ってくることもできる。暗い世界でも明るく照らす、星のような会社にしていきたいですね」
篠原 正樹
永原 務 | ながはら つとむ
- 略歴
- 1957年 善通寺市生まれ
外国船機関士、業務用厨房機器メーカー勤務を経て
1985年 星電サービス(現株式会社星電)創業
代表取締役社長兼CEO
株式会社星電
- 住所
- 香川県高松市木太町2082-8
- 代表電話番号
- 087-832-2870
- 設立
- 昭和60年12月15日 (星電サービス)
- 社員数
- 50名
- 事業内容
- 空調、衛生設備工事の施工業務
空調機のメンテナンス業務
照明・住宅設備機器及び関連商品の販売
電気工事
建築
環境商材 - 地図
- URL
- http://www.n-seiden.co.jp/
- 確認日
- 2023.03.02
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