患者さんのために、スタッフが
主体的に動ける組織づくり

トップが意思決定をして組織運営をしていくのではなく、組織を支える一人ひとりが組織の課題を自分ごとと捉えて主体的に動く。その意識を全体で共有しながら組織も自分自身も成長していく。そんな組織マネジメントを、ごうだ歯科グループでは「AKB式マネジメント」と名付け実践している。

特徴の一つが、歯科助手である20代の女性が香川と岡山4つの歯科医院約100人のスタッフを取りまとめる「総監督」の役割を担っている点だ。どうすれば患者さんのためになるかを最優先事項とした上で、まず総監督は歯科助手の仕事に軸足を置いて現場で動く。

現場にいるからこそ気づく課題や、各医院のリーダーと密にコミュニケーションをとった内容を踏まえ、どうすればドクターが治療に集中できるか、スタッフの興味関心を後押ししていかにモチベーションを高められるか、配属や研修の人選は適切かなど、さまざまな業務に携わる。スタッフの意見を経営陣につなぎ、提案することもある。

総監督が、各医院をまわり情報を共有することで、他の医院のいい取り組みを参考にでき、共通の課題は各医院のチーフ･リーダーたちとも相談する。お互いの医院への関心も深まり、スタッフが他の医院のヘルプに行き来しやすくなった、スタッフの方から改善への提案が増えた、グループ全体としてのつながりが出て組織として強くなったといったことが、AKB式を導入してからの変化だという。

さらに今期から、総監督を含めた3人で組織する「戦略推進部」が創設された。よりきめ細やかにスタッフ一人ひとりの考えを尊重できる体制で、「患者さんにとっての最適」を模索していく。