新たな制度で意欲を高め
おもてなしのプロを育てる

あなぶきエンタープライズ

Cha✕Cha

2023.11.27

yBK

キャリア

人材育成

女性活躍

多角化

写真左人事総務課・村上史華さん（善通寺第一高校出身）、人事総務課・十河楓さん（高松南高校出身）

政府による同一労働同一賃金の導入や、人手不足、働き方の多様化といった社会の変化により、入社年数や役職ではなく「職務の内容」などを基準にした給与制度が注目されている。

ホテル、旅館、劇場、サービスエリア、公共施設などの施設管理やイベント事業を行うあなぶきエンタープライズでは2024年4月以降、高校卒、大学卒の基本給を同一にするよう給与制度を見直し。高卒者の初任給がアップする。

背景にあるのは、サービスを提供する“人材”が何よりの財産であるという思い。これまで、勤務エリアを絞る「一般職」と、ホテルや公民連携などの事業内容、勤務エリアを問わない「総合職」という働き方の違いはあったが、“おもてなしのプロフェッショナルを目指す”という点では、
高卒･大卒者ともに業務内容に大きな違いはなかった。そこで、基本給を同一にするとともに今まで高卒者は主に一般職だったものを、ある程度事業内容の希望を聞きながら総合職も選べるようにした。

さらに、入社後の人材育成にも力を入れる。指導役の先輩によって教える内容が違う、というのではなく会社としてあるべきサービスの姿を共有した上でOJTを実施。シートを使った面談を定期的に行いながら、新人先輩ともに成長していく。

制度を見直した背景とそのメリットは。

人事総務課
村上史華さん（善通寺第一高校出身）

【十河】高卒者も大卒者もサービスの現場で働くプロとして“お客様への思い”に変わりはありません。だからこそおもてなしの心を、だれもが存分に発揮できるような体制を整えたいというのが制度見直しのきっかけです。

【村上】現場で活躍している人は「大変なこともあるけれど、お客様の笑顔や感謝の言葉は何にも代えがたい喜び」と言います。

現場での経験が成長につながると考えると、高卒者は若いころから経験を積めるという面もありますし、入社後の頑張りによってキャリアアップもできるのではないかと考えています。

新制度の具体的な内容と、企業説明に対する反応は?

人事総務課
十河楓さん（高松南高校出身）

【十河】高卒･大卒者の基本給を同一にすることによって、これまでの高卒者の基本給から2.5万円ほどアップします。

また、高卒者はこれまで一般職での入社でしたが総合職も選べるようになります。ホテル、サービスエリア、公民連携など多彩な事業を展開する中で、どういう分野でどんなおもてなしをしたいかという自主性を大事にしたいと考えています。

【村上】企業説明をする際、高校生から「大卒者との賃金のギャップは将来的にずっと変わらないのですか」といった不安の声を聞くことも今まではありました。そういう声に対して、会社の思いやビジョンを伝えつつ新制度導入について説明しています。

この内容は、高校生だけではなく先生たちからも高評価だと感じています。

人材育成について、どのような内容を考えていますか。

【村上】入社後の成長もきちんとフォローできるように、担当の先輩をつけたOJTをはじめ先輩社員も定期的な面談によるスキルアップなども行い、新人先輩ともに成長の過程をみながらスキルアップする体制を整えています。

【十河】労働環境や待遇をよくすることで従業員の満足度も高くなります。モチベーションが高まるとより質の高いサービスを提供できる、それがお客様の満足度にもつながると考えています。

高校の時にやっておいた方がいいこと

村上さん
高校時代の友達は、今もお互いの悩みを話したり休日を一緒に過ごしたりしています。高校の時の友達は一生の友になると思うので、大事にして楽しい思い出をつくってください。

十河さん
高校の時、好きなアーティストの推し活をしていました。あれだけ情熱を注げたのは高校生だったからかも。高校生の時には好きなことを全力で楽しんでください。

◆キーワード

職務給

入社年次や役職などより、業務の内容を重視して給与を決める制度のこと。同じような業務内容であれば給与は年長者の方が高いということがなく、成果に応じた評価が得られることで従業員のモチベーションが高まる、自らスキルアップや専門性向上を目指す、優秀な若手人材を集めやすいといったメリットがある。「同一労働同一賃金」という社会的な流れともマッチしやすい。