代表交代546社 平均年齢17.4歳若返る
~2024年香川県「代表者交代」調査~

東京商工リサーチ

Research

2024.10.03

県内15,631社中3.4%

代表者の高齢化に伴い、スムーズな事業承継が経営上の重要課題に浮上している。2023年から24年に、代表者が交代した香川県内の企業は546社で、東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースに登録されている県内15,631社中、3.4%だった。代表者の交代前の平均年齢は71.9歳だったが、交代後は54.4歳と一気に17.5歳の若返りが進んだ。

代表者が交代した企業の約9割(90.9%)で代表者の年齢が若くなった。特に、代表者年齢の若返りゾーンは「20~30歳」マイナスが最多の32.3%で、世代交代の加速を示している。

全国では6万6,862社代表者が交代し、全国約157万社の4.2%だった。代表者の交代前の平均年齢は71.1歳だったが、交代後は54.4歳と一気に16.7歳の若返りが進んだ。

全国の代表者交代の社数は、14年から19年は約21万社だったが、19年から24年は約26万社に増えており、代表者交代の時期に差し掛かっている企業が増加していることを物語る。

地区別では四国が最少

地区別では、最多が関東の2万4,724社(構成比36.9%)。次いで、近畿9,208社(同13.7%)、中部8,371社(同12.5%)、九州7,132社(同10.6%)と続き、最少は四国の2,046社(同3.0%)だった。交代社数は企業数が多いエリアに比例する結果となった。

全企業に対する代表者交代率は、最高が北陸の4.58%で、次いで、関東4.55%、北海道4.49%、東北4.27%の4地区が全国平均(4.24%)を上回った。一方、交代率の最低は、四国の3.55%で、近畿3.83%と合わせた2地区が3%台だった。

男性から女性の構成比は減少

14年から19年の5年間、19年から24年の5年間で、交代した代表者の性別は、男性から女性は14年から19年が9.6%に対し、19年から24年は9.2%で、0.4ポイントダウンした。

一方、女性から男性は、14年から19年が6.2%で、19年から24年も6.2%だった。

23年11月に実施した「全国後継者不在率調査」では、後継者がすでに決まっている企業のうち、「高齢化同族継承」を予定している企業は65.0%だった。だが、今回の調査では、異なる姓への事業承継が6割を超える結果となった。代表者の交代は、資産相続、税金、債務者保証、家業などの問題に加え、本質的な経営者としての資質もあり、一筋縄では決断できるものではない。

だが、代表者の高齢化は年々、全国で進んでいる。スムーズな事業承継には十分な準備期間を必要とすることからも、その判断は「待ったなし」の状況になっている。

東京商工リサーチ四国地区本部長兼高松支社長 波田 博

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