倒産件数 2年連続で増加

2019年四国地区企業倒産状況　東京商工リサーチ

Research

2020.02.06

統計

＜特徴＞
①倒産件数192件。前年比28件増、過去10年の比較で5番目
②負債総額295億2,900万円。前年比62億8,900万円減、過去10年の比較で9番目
③件数は香川、愛媛、徳島で増加。負債総額は愛媛、徳島で増加
④産業別ではサービス業他が49件でトップ。製造業43件、建設業33件と続く

2019年四国地区企業倒産状況（負債総額1,000万円以上、内整理を含む）は件数192件、負債総額295億2,900万円だった。

香川は14件増

香川は、件数63件で前年比14件増（28.6％増）、負債総額は104億7,400万円で前年比26億100万円減（19.9％減）だった。過去10年間では、件数は4番目、負債総額は5番目だった。愛媛は、件数48件で前年比4件増（9.1％増）、負債総額は95億1,100万円で前年比12億4,500万円増（15.1％増）。高知は、件数38件で前年同数、負債総額31億4,200万円は前年比68億4,400万円減（68.5％減）。徳島は、件数43件で前年比10件増（30.3％増）、負債総額64億200万円は前年比19億1,100万円増（42.6％増）だった。

販売不振がトップ

原因別では、販売不振が114件（前年比22件増）、構成比59.4％でトップ。以下、既往のシワ寄せ32件、他社倒産の余波15件、過小資本14件、その他8件、放漫経営5件、設備投資過大3件、信用性低下1件だった。「不況型」倒産は146件（前年比26件増）、構成比76.0％（前年73.2％）だった。

全産業で倒産発生

産業別では全10産業全てで倒産が発生。サービス業他が49件でトップ。以下、製造業、建設業、小売業、卸売業と続いた。

前年比較では、製造業、建設業、小売業、農･林･漁･鉱業が増加。一方、サービス業他、運輸業、卸売業、不動産業、金融･保険業が減少。情報通信業は前年同数だった。

米中貿易摩擦の影響、中東問題に起因する原油高騰等世界経済を取り巻く状況は先行き不透明。四国地区でも様々な分野で徐々に影響がでてくることが懸念される。また、小規模企業の人手不足や賃金上昇はより深刻化している。小規模企業は大手企業の人材採用のシワ寄せを受けやすく、人手不足が経営リスクとなっている。

採算妙味に乏しく、資本力のない小規模企業が息切れして、資金需要の高まる年度末に向けて企業倒産は増勢基調を辿るものと見られる。

東京商工リサーチ　四国地区本部長兼高松支社長　立花　正伸