「事業承継」は企業価値を高める選択肢の一つです

みどり財産コンサルタンツ

column

2020.12.17

コロナ禍で痛手を受け、“いつか”はやらなければと思っていたことを“今すぐ”やらないと会社の存続が危ない―という強い危機感をもった経営者も多いのではないでしょうか。新規事業、商品開発、販路開拓……考えられる方法はさまざまですが、「事業承継」も選択肢の一つです。

そこで、みどり財産コンサルタンツ代表取締役社長・川原大典さんに、“会社の価値を高めるための事業承継”という視点から、3回シリーズでお話を伺います。

事業承継・M&Aについては専用サイトに掲載

――コロナ禍で、「事業承継」への経営者の認識はどう変わりましたか。

四国の企業を対象にした調査(※1)で、事業承継に対する意識がコロナ禍でどう変化したかを聞いたところ、1割近くの企業が「関心が高くなった」と答えています。高齢である場合、感染・健康のリスクが高くなるといった理由も考えられ、経営者が高齢であるほど、事業承継の計画があると答えた企業の割合が増えています。

一方で、全国の企業を対象にした調査(※2)では、80代以上になると事業承継の計画があると答えた企業の割合が減っています。これは、事業承継の“適齢期”を過ぎてしまったことを表しているのではないでしょうか。

事業を続けるためには、常に新しいことに取り組む必要がありますが、日々の業務に追われどうしても「昨日の延長」を続けながら年月がたってしまう。今までならそれでも会社はまわっていたかもしれませんが、コロナ禍によってその“惰性”を続ける猶予がなくなった。事業承継についても、やはり早めに取り組むことが重要になっています。

※1
四国地区 事業承継に関する企業の意識調査(2020年) 帝国データバンク
※2
事業承継に関する企業の意識調査(2020年) 帝国データバンク

――事業承継で、企業は変わるのでしょうか。

若い世代、あるいは従業員、第三者に引継いで新たな視点が加わるだけで、今まで見えていなかった強み、課題とその解決方法が見えることもあります。高齢の経営者のもとでひそかに不安を抱えていた従業員の意欲がわき、新たな幹部候補が現れるという効果も考えられます。

――事業承継がなかなか進んでいないのはなぜですか。

前出の調査では、四国の企業の約4割が事業承継の計画があるものの、その半数以上が何も進んでいないという結果に。今後進めるにあたって苦労しそうなこととして、「後継者の育成」と「後継者の決定」が1位、2位を占めています。

実際、経営者にお話を伺う機会も多いのですが、後継者となるような人材がいない、また候補がいたとしても自分が思うレベルではないという声をよく聞きます。しかし、求めるレベルが高すぎる場合もあると感じています。

まだまだと思って先送りしているうちに、時期を逃してしまう方が問題です。早めに引継ぎすれば、前の経営者からアドバイスを受けながら経営できる助走期間があります。思い切って任せることで後継者が成長する可能性もあるのではないでしょうか。

――個人保証の問題もハードルを上げているのでは。

中小零細企業が借入する際に経営者などが個人保証するケースが多く、保証人を引き継がなければならないことも、従業員への引継ぎのネックになっています。そのため、事業承継の際に経営者保証を不要とする新しい保証制度がスタート(別枠参照)。

そのほか、贈与税・相続税の特別措置を創設するなど、事業承継を進めるため国もさまざまな施策を打ち出しています。それらの情報を知っておくことも大切です。

――手を尽くしても後継者が見つからない、または計画通りにいかない場合は?

後継者候補だと思っていた人に打診したが拒否された、娘婿に引継いだが意見の相違から退職した……など、事業承継は思い通りにいかないことが多いものです。

その場合は、第三者への承継(M&A)が考えられます。将来M&Aの買い手となる、または売り手となる可能性については、四国の企業の約4割が事業承継の手段としてM&Aに関わる可能性があると考えています。M&Aはもはや、特別な話ではないのです。

――うちの会社はM&Aできない、とあきらめている経営者も多いのでは。

あきらめというより、そもそも「どうすればいいのかわからない」ということではないでしょうか。たまたま金融機関からM&Aを提案されて初めてM&Aに目を向け、実行しているケースが多いのが実情です。

また、M&Aという言葉を知っていても、自社の価値を正当に評価してもらえるのか、仲介手数料が高いのではないか、といった不安の声をよく聞きます。M&A仲介業者が効率重視で強引に進められるイメージから、二の足を踏む経営者もいるかもしれません。

みどり財産コンサルタンツは、地方の中小企業の事業継続のためのM&Aに力を入れている数少ない事業者です。そこで次回は、みどり財産コンサルタンツが取り組む事業承継型M&Aについて、詳しく紹介します。

新しい保証制度 「事業承継特別保証」

事業承継の際、一定の要件を満たせば経営者保証を不要とする新たな信用保証制度で、2020年4月スタート。保証限度額は2.8億円、保証料率0.45~1.90%。事業を統括する経営者保証コーディネーターによる支援・確認を受けた場合の保証料率は0.20~1.15%に軽減される。
 
制度要件を満たせば、新旧の経営者の個人保証なしに、事業を引継ぐことができる。

川原 大典 | かわはら だいすけ

1975年 香川町生まれ
1998年 愛媛大学法文学部 卒業
    東京書籍 入社
2001年 みどり合同税理士法人グループ 入社
2004年 みどり財産コンサルタンツ 移籍
2014年 代表取締役社長
写真
川原 大典 | かわはら だいすけ

株式会社みどり財産コンサルタンツ

所在地
高松本社:高松市栗林町1丁目18-30 みどり栗林ビル

 TEL:087-834-0122

 FAX:087-862-0988

東京支店:東京都千代田区有楽町1-5-1 日比谷マリンビル8階

 TEL:03-6268-8620

 FAX:03-6268-8621
設立
2003年11月
資本金
1000万円
代表者
代表取締役社長 川原大典
従業員数
16人(令和2年10月現在)
事業内容
法人税財務、法人組織再編・M&A、節税、相続・事業承継等のコンサルティング 他
関連会社
みどり合同税理士法人
株式会社みどり合同経営
公認会計士 三好貴志男事務所 他
地図
URL
https://www.midori-zc.co.jp/
確認日
2021.08.30

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