オンラインで意思疎通図る/クリエアナブキ
人材開発室・室長の三ツ井記美代さんは、採用活動においてインターンシップが最も効果的だと感じている。そのため20年夏以降は対面での実施は中止し、オンラインに切り替えた。オンライン開催は人数制限がなく、県外在住の学生も気軽に参加できるメリットがある。対面と違って反応が分かりづらいが、対話の時間を増やしお互いの理解を深めるよう工夫している。内定者のフォローも対面での内定式や懇親会が行えず、オンラインミーティングだ。コミュニケーションを図るため、従来よりも頻繁に連絡を取るようにしているという。
「人材サービスに携わるので、人の輝きに喜びを感じたり、チャレンジを楽しんだりできる人と一緒に働きたいと思っています。変化の多い時代に柔軟に対応できるのは、若い人たちです。既存の価値観にとらわれず、主体的に動いてほしいですね」と三ツ井さん。
同社は22年も例年並の採用を予定。21年実施のインターンシップや採用試験も、オンライン開催をベースに考えている。
<新卒採用状況>
2020年4月 5人 入社
2021年4月 3人 入社予定
2022年4月 例年並の人数を採用予定
地域の発展に貢献を/三井住友海上火災保険 高松支店
高松支店では、香川県を本拠地とする「地域社員(ワイドエリア・エリア)」の社員を採用。2020年4月は1人が入社した。例年の東京本社に集合しての入社式は中止、新入社員研修は全てオンラインで実施した。同社は、職場メンバー全体で新入社員等育成・サポートを行うファミリー制度を設けている。20年2月から感染予防でテレワークを導入したため、新入社員とファーストブラザー・シスター(職場メンバーとのパイプ役)が同じ日に出勤できるようシフトを組むなど配慮したという。
採用活動では例年11月と2月にインターンシップを実施し、業務内容の説明のほか、学生に代理店指導などの営業活動や保険金支払い業務の現場を実体験してもらっていたが、20年6月以降の採用選考(面接)等は全てオンラインでの実施となった。
高松支店の業務課長・中山朋子さんは「オンラインでの選考が主流になると、移動時間無く全国各地の多数の企業の採用選考を受けられるので、採用活動におけるライバル企業が増えると感じています。他方で、実際に会社を訪れたいという学生も多く、対面で採用選考を行う他企業へ応募が流れるのではないかという危惧もあります。地域採用のため、香川を愛し、損害保険の事業活動を通じて地域企業の挑戦への支援や交通事故防止に取り組み、地方創生に貢献したいという人と一緒に働きたい」と話す。
同支店は、21年4月は4人が入社予定。22年も新卒採用を行う予定だが、人数や選考方法は未定だ。
<新卒採用状況>
2020年4月 1人 入社
2021年4月 4人 入社予定
2022年4月 採用予定だが人数は未定
魅力発信で人材流出を防ぐ!/ワークサポートかがわ
しかし、企業・求職者ともに直接会う機会を求める声が多く、2021年1月には、就職面接会と企業研究を目的としたイベント「うどん県お仕事ストリート」を対面で開催した。県内企業を中心に49社と、84人の学生や中途採用希望者が参加した。感染対策を施した上で、企業担当者と参加者は1対1で面談を行った。
20年の採用活動では、企業・学生ともにオンラインでのやり取りが不慣れな場面もあったようだが、オンライン化がある程度浸透した今、同センター所長の和田朝子さんは「学生の一部に『オンライン疲れ』が見られます。『リアル』と『オンライン』をうまく活用してもらえたら。また、オンラインでの採用試験やテレワークの充実で、地方への移住や就職が注目されている反面、地方から都市部への就活・就職も気軽なものになりました。人材の流出を防ぐためにも、香川県の企業の魅力や、香川で暮らし働くことの良さをもっと発信しなければ」と話す。
採用活動もブランディングの一つ/ツツク合同会社
そこで開発した「オンライン仕事研究CITY LIVE!」は、アクセスすると画面上に合同説明会会場が現れ、まるでリアルな会場のように企業ブースをはじめ、就活相談コーナー、就活セミナースペースなどが配置されている。
参加企業は、1日3~6回程度zoomで説明会を開催。アクセスした学生すべてに自社をPRできる。出展料は1日20万円を予定。現在、地元を中心に出展企業を集めている。1月30日のプレ開催を経て、2月27日に本番開催される。
大井さんは「就職意識の高い学生ほどオンライン活用に積極的。いち早く対応すれば県内外から優秀な学生が集まる可能性は高い」という。学生は、オンラインに対応しているかどうか、企業の姿勢を見ている。採用活動のあり方も、企業のブランディングの一つといえる。
「CITY LIVE!」の問い合わせ
hi@gotolive-online.net
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