中小企業の10.5%が廃業を検討

第12回香川県「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査 東京商工リサーチ

Research

2021.03.04

新型コロナウイルス感染拡大で、11都府県に再度の緊急事態宣言が発令され、その大半の都府県で宣言が延長されている。
今回のアンケートは新型コロナ感染者数が全国で急増した時期に実施。県内中小企業の「廃業検討率」は10.5%と1割を超え、前回調査時の5.6%から4.9%悪化している。

※2021年1月5日~14日にインターネットによるアンケート調査を実施、有効回答117社を集計、分析。資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義した。

Q1.企業活動への影響は?

最多は「影響が継続している」で65.0%。前回調査時(20年12月1日~9日)の76.5%より11.5ポイント低下した。「影響が出たがすでに収束した」は9.4%で、前回2.4%より7.0ポイント増加した。

Q2.国や自治体の支援策利用は?

国や自治体、金融機関などが行う新型コロナに関連した資金繰り支援策の利用状況を聞いたところ、「利用した」は56.4%だった。「今後利用する可能性がある」は5.1%で、合計61.5%の企業が利用について言及している。

Q3.「廃業」を検討する可能性は?

コロナ禍の収束が長引いた場合の「廃業」(すべての事業を閉鎖)を検討する可能性について聞いたところ、「ある」は9.5%(105社中、10社)、「ない」は90.5%(95社)だった。「ある」は前回調査の5.1%からより4.4ポイント悪化した。規模別では、大企業にはなかったが、中小企業の10.5%が「ある」と回答、前回調査時の5.6%から4.9ポイント悪化している。

Q4.取引先で倒産や廃業は?

取引先で、コロナの影響による倒産や廃業が発生したかどうかを聞いたところ、「発生した」は13.6%、「発生していない」は86.4%だった。

Q5.今年の倒産・廃業は?

2021年は、2020年と比較して倒産や廃業が増加すると思うかを聞いたところ、「思う」は64.9%(114社中、74社)、「やや思う」は32.5%(37社)で合計97.4%の企業が増加を予想している。規模別でみると、大企業は60.0%(10社中、6社)、中小企業は65.4%(104社中、68社)が「思う」と回答した。


新型コロナのワクチン接種が始まったが、感染拡大の抑制メドが立たないと企業間取引がコロナ前の水準に戻ることは難しい。また、運転資金の円滑な供給や与信枠拡大に支障が生じた場合、経済の再活性化が阻害されかねない。

現在の資金繰り支援を継続しつつ、収束後の円滑な経済再開を見据えた取り組みに切れ間が生じないように、企業と金融機関、政府、自治体は再確認する必要がありそうだ。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ