
SK66
処理方法はいくつかあるが、有害物質のうち「六価クロム」「六価セレン」は、従来の処理方法だと大規模な施設が必要だったり、コストがかかったりすることが課題だった。この課題に対し、粉末を混ぜるだけで処理できる製品が「SK66」だ。
きっかけは、除去技術をすでに開発していた四国総合研究所からの、技術を生かして何か商品ができないかという提案だった。「もともとうちの会社でも環境分野の研究開発を進めていたので、この技術は土木現場の課題解決に生かせると考えました」と環境事業部課長補佐・小林英司さん。
商品化に向けては、コストを抑えて効果を出す、大量生産する方法……と、クリアすべきことが山積みだった。中でも苦労したのがデータ収集だ。同じ汚染物質でも現場によって濃度、土の成分や水質が違う。あらゆるケースを想定し、この濃度と成分に対して、SK66にどういう物質を組み合わせればいいか、それぞれの濃度は――。気の遠くなるような数の組み合わせを試し、ようやく適正な値を見つけ出した。
「コストを考えると、ただ製品の能力を上げればいいわけではないんです」。広大な土地の土に混ぜて使う場合は、SK66が大量に必要なためコストが上がりすぎないよう濃度を調整する。水は、混ぜた後の上ずみは捨て、残った沈殿物をプレス加工して廃棄するため、プレスする廃棄物の体積が小さくなるようSK66の能力を上げて除去性能を最大限にする。
「SK66は、今まで除去が大変だった重金属類を“混ぜるだけ”で除去できるのが画期的です。データも蓄積されているので、現場の濃度や成分に合わせて半分オーダーメイドのように製品を提供できる点も特徴です」。まずは、製品の存在を知ってもらう広報活動にも力を入れたいという。
おすすめ記事
-
2024.04.19
観音寺信金、脱炭素で法人会と連携協定
観音寺信用金庫
-
2023.10.30
「かんしん脱炭素経営に関する相談窓口」設置
観音寺信用金庫
-
2023.01.05
書評
香川県教育委員会 教育長 工代祐司
-
2022.05.05
低空飛行
この国のかたちへ著:原 研哉/岩波書店
-
2021.09.02
街路樹は問いかける 温暖化に負けない〈緑〉のインフラ
著:藤井英二郎 他/岩波書店
-
2020.10.15
“パリパリ”にして暮らしを清潔に快適に
島産業 社長 島 憲吾さん
-
2019.10.03
関心をもってもらうことが、自然保護につながる
環境省中国四国地方環境事務所 四国事務所長 櫻井洋一さん
-
2012.09.20
ウィンドサーフィン 仕事に通じる波乗り
大和ハウス工業香川支店 環境エネルギー営業所長 飯山 学さん
-
2012.10.04
竹から綿つくる装置開発 世界を変える夢ふくらむ
東亜機工 代表取締役 田淵 国広さん
-
2011.07.21
エコ製品の市場を創る ~第三者の視点「発砲・改質・リサイクル」~
日生化学 代表取締役社長 田中 秀和さん
-
2011.06.16
「おもしろい」と「スピード」 ~段ボールの限界を超える~
富士ダンボール工業 代表取締役社長 本田 展稔さん