培った技術を、提案型商品・自社商品にも生かす

カナエテクノス

Tec✕Tec

2022.07.21

世界のハイブランドの商品も

ものづくりの世界でよく聞く「OEM」は、他社ブランドの製品を製造すること。例えば、化粧品メーカー(委託者)が商品の企画・設計を行い、受託者が製造する例など。製造を請け負うためには、委託者が求める高い基準を満たす技術力・ノウハウをもつことが条件となる。

カナエテクノスは、1974年に日本で初めてウェットティッシュを製造した。その高い技術で、化粧品や医薬品、国内外のハイブランド、大手メーカーなど100社以上の製品を製造している。

カナエテクノスならでは

手掛けているウェットティッシュや制汗シート、防虫シートなどは、シートとなる「不織布」に薬液を均等に浸すのが難しい。しかし、カナエテクノスは高い加工技術でパウダー入りや粘度の高い薬液も均等に浸すことができる上、様々な包装形態にも対応する。

蓄積された加工技術やノウハウは信頼を集め、カナエテクノスが企画提案し、商品の開発・設計・製造まで行う「ODM」生産の割合も増え、製品の幅も広がっている。世界の有名化粧品ブランドのフェイスマスクもその一つだ。

保湿、リフトアップ……求められる機能に対し、どの成分をどれだけ処方するか。色や香りをつけたい、マスクのフィルム面にロゴを印刷したいなどの要望に、どんな仕様で応えるか。そういった試行錯誤から、化粧成分をゲル状にしてシートに薄くのばした「ハイドロゲルシート」や、肌に貼っている間にゲルの色が変わる「マジックオイルリッチゲル」、難しいとされるクリームタイプの化粧品をマスクにした「クリームマスク」などが誕生した。また、一つの包装の中に仕切りを作り、使う時に力を加えると仕切りが外れて薬液がシート側に移動する「JOY-PACK」は包装材への工夫が形になったものだ。

特殊な商品や包装を手掛けることで技術が高められ、それがカナエテクノスにしかできない新たな商品開発につながる。この好循環の中で、オリジナル商品「四季の和」シリーズのフェイスマスクと、貼るクリームマスクを製造。今後は、化粧品・医薬品といった分野以外の製品開発も見据える。

◆キーワード


OEMとODM

OEMは委託者であるメーカーが製品の企画、内容を決定し、それに基づき製造者が製造すること。委託者にとっては生産のための設備投資のコストが抑えられるほか、強みを生かした自社製品の開発に集中できるといったメリットがある。製造者は、製造技術や品質管理、ノウハウを蓄積することができ、それを活用して企業の成長を図れる可能性もある。

ODMは製造業者が委託者から商品の開発、設計などを引き受け、製造・商品化すること。委託者は、社内に開発ノウハウがなくても製品を用意できるほか、自社が得意な製品以外の製造をODMにすることで、商品ラインアップが広がる。受託者も、すでに知られたブランド名で製品販売ができる。


コアテクノロジー

その企業にとって核となる技術。他社には真似しにくいその技術をベースに複数の市場にアプローチでき、顧客のニーズを満たす製品やサービスを生み出すことができるという特徴がある。

◆スタッフ・メッセージ

ゲルシートやクリームマスクなど特殊な商品を担当しています。化粧品が好きで、自分で開発してみたいと思っていたので、薬液処方から包装まで一貫して携われるのは面白いです。開発のヒントにするため、化粧品売り場はもちろん食品分野など他業界の展示会にも出かけ、原料や成分を勉強しています。将来は、商品が雑誌やSNSに掲載され、多くの人に手に取ってもらえる商品を開発したいと思います。

開発本部 開発2グループ
樋口仁美さん
(高松高校出身)

株式会社カナエテクノス

住所
香川県観音寺市柞田町丁93番地27
代表電話番号
0875-56-0850
事業内容
化粧用品、医薬品、医薬部外品、医療用具、衛生用品、介護機器等の製造・販売 他
資本金
2億4000万円
地図
URL
https://www.k-technos.com/
確認日
2021.07.01

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