カメラとドローンでインフラ点検を容易に

老朽化インフラの広範囲異常検査サービス/ソイルック

Topic

2019.10.17

成分分析カメラ。さらなる利便性向上と低コスト化を目指す

成分分析カメラ。さらなる利便性向上と低コスト化を目指す

土壌検査の様子

土壌検査の様子

ソイルック(高松市)は、カメラやドローンを使って、老朽化したインフラを点検するサービスを提供している。代表の西藤翼さんは、今年2月開催の「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2018」(主催:かがわ産業支援財団)で最優秀賞を受賞。6月に個人事業としてソイルックを立ち上げた。

香川大学工学部(当時)の卒業生で、学生時代に成分分析カメラを用いて土壌を計測していたことから、soil(ソイル:土壌)とlook(ルック:見る)を合わせて屋号にした。

成分分析カメラとは、対象物を撮影してその光の波長から成分を特定するもの。西藤さんは、石丸伊知郎教授の研究室でカメラの試作に携わった。現在、個人事業と並行して、香川大学の創造工学部と医学部の技術補佐員としても研究を続けている。

「新しい技術で会社を起こしたい」と考えていた西藤さんは、コンペに応募。石丸教授をはじめ、医工連携を行う医学部の和田健司教授と創造工学部の岡崎慎一郎准教授や民間企業の協力を得て「コンクリート構造物の塩害劣化検査サービス」を提案し、最優秀賞を受賞した。コンクリートは、凍結防止剤や海水などで塩害が引き起こされて劣化する。検査サービスは、道路や橋を成分分析カメラで見ることで、塩害の原因となる塩化物や水分を測定し、残りの寿命も予測するというものだ。構造物の一部を採取するなど、従来の検査方法と異なり、検査対象を傷つけずに済む。

西藤さんは「最優秀賞を受賞したことで『香川大学でこんな研究をしているんだ』と知ってもらえました。企業からの問い合わせも増えましたし、資金調達の面でも助かっています」と話す。今後は顧客ニーズに合わせ、カメラの利便性追求と低コスト化を進めてドローンでの撮影を容易にし、より広範囲のインフラ検査ができるようにしたいと考えている。

香川大学では、起業を卒業後の選択肢の一つと考える学生が増えているという。「僕も経営については勉強中なので、起業を希望する学生をサポートしながら、一緒に成長できたら。個人事業は技術者がヒーローになれる会社にしていきたいと思っています」
西藤さん(中央)と香川大学の大学院生で起業を目指す北崎友哉さん(左)、我部山喜弘さん(右)

西藤さん(中央)と香川大学の大学院生で起業を目指す北崎友哉さん(左)、我部山喜弘さん(右)

来たれ!起業家「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2019」

かがわ産業支援財団は、創造的な技術や商品、サービスなどで新たな顧客や付加価値を生み出すビジネスプランを募集している。受賞者には、最大200万円の助成金(最優秀賞のみ)、財団のインキュベータールームの無料提供(最優秀賞のみ)、財団コーディネーターによる経営支援、県内金融機関による支援などの特典がある。
募集期間:~10月31日(木)
問い合わせ:かがわ産業支援財団企業支援課☎087・840・0391
https://www.kagawa-isf.jp/sien/kensyou/newbusiness/

西藤 翼 | さいとう つばさ

略歴
1992年 兵庫県姫路市生まれ
2011年 兵庫県立姫路飾西高校 卒業
2015年 香川大学工学部 卒業
2017年 香川大学工学研究科 卒業
     株式会社空撮技研 入社
2018年 香川大学医学部 医用化学技術補佐員 入職
2019年 「かがわビジネスモデル・
     チャレンジコンペ2018」最優秀賞受賞

ソイルック

住所
香川県高松市林町2217-16 FROM香川一般研究室4bc
設立
2019年
地図
URL
https://soilook.com/
確認日
2019.10.05

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