この夏

香川県教育委員会 教育長 工代祐司

column

2022.09.01

夏が終わろうとしている。異常に早く梅雨が明けた。蝉時雨が間に合わない夏の幕開けだった。猛暑も格別、一方断続的な豪雨が日本各地を襲った。不安定な国際情勢。ウクライナ危機の影響か各新聞の終戦記念日特集には例年以上に熱がこもっていた。行動制限なしの中、「3年ぶりに」という言葉をよく聞いた。

7月9日、全国高等学校野球選手権香川大会の開会式。高松市生島のレクザムスタジアムには参加38校が堂々の行進を見せた。まさに3年ぶり、それだけで胸が熱くなった。その後の高松商業の甲子園での活躍はご承知の通りである。

高校スポーツの祭典である全国高等学校総合体育大会(インターハイ)が24年ぶりに四国で開催(7/23~8/23)された。香川県では9競技10種目が行われた。8月10日には高円宮承子女王殿下が御来県になり、丸亀のPikaraスタジアムでアーチェリー競技を御観戦になられた。表彰式での承子様の温かい励ましのお言葉は選手たちの心にしみた。

瀬戸芸の夏会期とコラボした高校生のための「瀬戸内アートサマープログラム」、理数系自主研究の「高校生科学研究発表会」、県内公立全小中学校が参加する3年に1度の「いじめゼロ子どもサミット2022」など各種行事も子どもたちをはじめ大勢の方々の熱意と協力で実施できた。

市町主催の教育関連行事もその多くが予定通り行われたと聞く。8月20日には三豊市主催の夜間中学講演会が開かれた。「誰一人置き去りにしない教育」とは何か、参加者全員が深く考える有意義な機会となった。

新型コロナウイルスの感染拡大は勢いを止めていない。常に感染の不安が消えない状況が続いている。一方、教育における対面での活動の意義は大きい。この夏の経験も参考に、ウィズコロナにおける子どもたちの心と体、学びの状況やそれを支える体制の在り方をもう一度整理していく必要があろう。今日から多くの学校で新学期が始まる。

香川県教育委員会 教育長 工代 祐司

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香川県教育委員会 教育長 工代 祐司

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