そうだ、教科書を読んでみよう!「情報Ⅰ」

香川県教育委員会 教育長 工代 祐司

column

2022.02.17

なんとなくスマートフォンを使っている。なんとなくワードやエクセルも利用してきた。しかし、「パスコードを入力してください」と問われてもパスワードとどう違うのかわからない。ましてや「インターネットは、WWWの機能が特徴で、それはHTMLを基盤としたハイパーリンクを含んだハイパーテキストのシステムである」など何のことやら。

いくつかのアプリを使っているけど、それを体系的・総合的に活用して仕事の生産性を上げるなどはとても無理だ。本屋を覗いても、IT、DX、アプリ、プログラミング、Web、Zoomなどなど、膨大な本が並んでいて、何を読んだらよいか皆目わからない。
そして、たどり着いた。そうだ、高校の教科書「情報Ⅰ」を読んでみよう。教科書は無味乾燥と言われるが、しかし、一方、学ぶべき事柄とその範囲がしっかり吟味熟考して作られている。

高校教育では2003年度に「情報」という教科が登場した。それから20年、今年4月からバージョンアップした新科目「情報Ⅰ」がスタートする。情報モラル、情報社会、コミュニケーション、情報デザイン、コンピュータ、プログラミング、ネットワーク、データ活用などの内容を、文系理系を問わず全ての高校生が学ぶことになる。

この「情報Ⅰ」の教科書。数社から出版される。どれもなかなかに素晴らしい。情報化社会の基礎知識が体系化され丁寧かつ分かりやすく書かれている。技術的な側面だけでなく、それを活用した問題解決の方法まで視野に入っている。キャリアとの関連性に言及した教科書もある。初心者には最適な書籍だと思う。

報道によると国立大学協会は、2025年以降の大学入学共通テストの新科目「情報Ⅰ」を、原則、受験者に課す方針を決めた。受験生には大きな問題だ。それ以上にこれからの社会を生き抜き、様々な課題の解を見つけるためには、この科目は欠かせない学びだと思う。中・高校生の皆さん、どうか興味を持って楽しんで学んでください。

香川県教育委員会 教育長 工代 祐司

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