プロの技術で隠して魅せる

全国ボディアート協会 理事長 森本 春美さん

Interview

2015.09.03

「年齢は内緒です。還暦を迎えたら赤い服を着て知らせると、生徒さんたちには言っています」とチャーミングに笑う森本春美さん。ボディアートを駆使し、多くの花嫁を笑顔にしてきた。自らサロンで施術する一方、スクールの講師として技術者育成にも力を入れる。昨年8月には協会を立ち上げた。

バラやハート、チョウなど森本さんが描くボディアートは、ブライダルシーンで喜ばれている。ラメパウダーとラインストーンをのり付けしたり、エアブラシでカラーを吹き付けたりして模様を描く。素材は肌に優しいものを協会オリジナルで製造している。「肌に絵を描くことを敬遠する人もいるかもしれませんが、オイルをなじませれば落とせる手軽なものなんですよ」
森本さんは結婚後、15年間は専業主婦だった。「人見知りで近所付き合いも苦手でした」。明るく社交的な今の様子からは、全く想像が付かない。「一度始めたことは、とことんまでやらないと気が済まない性格。家事も育児も完璧にこなしたいという気持ちでしたね」

子どもから手が離れると、夫が経営するブライダル衣装を扱うヌーベルマリエ丸福を手伝い始めた。貸衣装だけでなく、さまざまな要望に応えたいと、2010年にブランシュールを設立。式場の紹介、新居探しの手伝い、フォトウエディングの提案など幅広いニーズに応える会社だ。

ボディアートとの出合いも、「テレビで見たのと同じようなことをやってほしい」と言うお客さんの要望がきっかけだった。東京まで通って技術を覚えるうちに極めたいと思うように。とことん追求する性格がここでも発揮された。

練習を重ね、オリジナルのデザインを何パターンも描いた。参考にしたのは絵画と花だ。あの絵はどうやって描いているのだろう、どう描けば美しい花に見えるだろうと考えて、じっくり観察した。ブランシュールにサロンを設け、衣装に合わせたボディアートの提案も行うようになった。

香川の人にもボディアートを知ってほしい、技術をもっと広めたい・・・。そんな思いから、協会の設立に至った。「自分のサロンだけ人気になればいいとは思いません。一人でも多くの人に技術を身に付けてもらい、生活に生かしてほしい」

スクール受講生の3分の1は主婦だ。「技術さえあれば、子育てしながら家でも仕事が出来ます。女性の活躍を応援したいという気持ちもありますね」。美容師、ネイリストなど美容関係者も学びに来る。
ボディアートはこすらなければ1週間ほど持つ。水に強く、シャワーも大丈夫だ。そのため、コンプレックスを隠すメイクとしても重宝されている。ウエディングドレスは腕や背中を出すデザインのものが多い。ニキビ痕やシミ、アザ、傷痕などを気にして露出のない衣装を選ぶ人も少なくない。

肌色に合わせたカラーを丁寧にエアブラシで吹き付けていくと、シミなどはどこにあったか分からなくなる。ボディアートの素材は衣装に付いたり、汗で流れたりする心配もない。気に入ったドレスを、自信を持って着る。そんな花嫁たちの願いを叶えている。

「アザやシミが気になる人は、1日スクールでもいいから技術を学び、自分でボディアートを施せばいいんです」。そうすれば、サロンに通うことなく、外出前に自宅で出来る。自分の技術を惜しみなく人に伝えることは大胆なようだが、ボディアートがポピュラーなものなればとの思いがあるからだ。

「ネイルアートやヘアセットといった"当たり前のもの"の中に、ボディアートを仲間入りさせたい。最高の技術だと言われるよう協会も発展させたいですね」。業界トップを目指し、新しい技法を日々考案中だ。

森本 春美 | もりもと はるみ

一般社団法人全国ボディアート協会 理事長
有限会社ブランシュール 代表取締役社長
ブランシュール ボディアートサロン&スクール 代表
株式会社ヌーベルマリエ丸福 取締役
写真
森本 春美 | もりもと はるみ

一般社団法人全国ボディアート協会

所在地
高松市伏石町2174-1
TEL
087-899-8828
事業概要
ボディアートの普及活動、技術者の指導
セミナーの開講など
確認日
2018.01.04

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