「讃岐の食文化」の素朴な疑問⑬

野菜ソムリエ上級プロ 末原 俊幸

column

2023.04.06

香川県を代表する春の野菜はアスパラガスですよね。

今では、香川県を代表する春の野菜の地位を獲得した「アスパラガス」。香川県オリジナル品種である「さぬきのめざめ」や紫色品種である「さぬきバイオレット」、また、これらを遮光栽培することにより生産される「ホワイトアスパラガス」や「ピンクアスパラガス」など、いろいろな商品が出荷されています。

さらに、大きくなっても穂先が開きにくいという特性を持った「さぬきのめざめ」については、50cmという通常の倍の長さがある「ロング」サイズも出荷されており、アスパラガスは香川県の主要な野菜としての地位を確立しつつあります。

では、生産状況はどうなのでしょうか?「令和3年産野菜生産出荷統計」(農林水産省生産流通消費統計課)によると、香川県におけるアスパラガスの栽培面積は87ヘクタールであり、実はここ10年間で大きな増減はないのです。また、出荷量についても945トンと大きく変動していません。

一方で、全国的なアスパラガス生産面積は、10年間で6,290ヘクタールから4,500ヘクタールと約3割、出荷量は25,100トンから22,400トンと約1割減少していることから、香川県におけるアスパラ生産が安定している状況であることもわかるでしょう。

その背景としては、1月から収穫が始まり、10月頃まで長期に渡り出荷されること、また、栽培に加温機が不要であり初期投資が比較的少ないこと、JA香川県による販売体制が確立されていることなどが挙げられます。

そして、県内で生産されたアスパラガスのうち、130トンが高松市中央卸売市場に出荷されており、これは、県内の生産量の13%なのですが、同市場で取り扱われているアスパラガスの内93%が県産と(令和3年高松市卸売市場年報)、県内ではとてもたくさんの県産アスパラガスが流通していることが分かります。

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん

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