
近年、香川県産のスイートコーンを店頭で見かけるようになりました。
その理由として、香川県独特の農業事情があります。この企画で何度も触れているのですが、香川県では、狭い農地と限られた水をいかに効率的に利用するかが農業を営む上での最大の命題であり、この中から、6月から10月にかけて稲を作付け、その裏作として11月から6月にかけて麦を栽培するという二毛作が完成されました。
この栽培体系のポイントは、米の裏作に何を作付けするかであり、麦の他にも、そら豆、ニンニク、玉ネギといった、6月(田植え)までに収穫が終わる作物の栽培が盛んとなりました。
近年、その作物として選ばれているのが、スイートコーンです。
香川県においてスイートコーンの植え付けは、早いものでは今頃から始まり、寒さで苗が枯れてしまわないよう、とても丁寧に管理されています。そして、6月上旬にもなると、県内のあちこちにトウモロコシ畑が姿を現します。
しかし7月に入ると、香川県産のスイートコーンは、瞬く間に店頭から姿を消してしまいます。これは、暑くなるとトウモロコシに害虫の食害のリスクが高まること、また7月にもなると大量の北海道産の入荷が始まり、トウモロコシ全体の単価を引き下げてしまうことなどがあります。
スイートコーンも香川県の園芸品目(野菜・果物)の特徴である「他の産地が取り入れていない栽培品目・栽培方法を考え、ニッチな市場を狙っていく」というコンセプトに沿って選ばれた品目と言えるでしょう。

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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