今期の水準、全産業で前期より1.1ポイント増~第178回中小企業景況調査(2024年10-12月期)四国地域~

独立行政法人中小企業基盤整備機構

Research

2025.01.03

国内における中小企業の実態を反映した景況調査

中小企業の景況を把握し、中小企業施策立案の基礎資料を収集することを目的に、四半期に一度、産業別、地域別等に算出する景況調査を実施しています。約80%が小規模事業者、うち、約50%が個人事業主が占める、日本の中小企業の実態を踏まえた1980年から40年以上続く調査です。

今回は、「第178回中小企業景況調査(2024年10ー12月期)四国地域」の調査結果を報告します。

業況判断DI(今期の水準)

四国地域の中小企業の業況判断DI(今期の水準)は、全産業で前期(2024年7-9期)より1.1ポイント増の▲22.3と2期ぶりに上昇した。産業別にみると、卸売業、建設業、サービス業で上昇し、小売業、製造業で低下した。《図1》

原材料・商品仕入単価DI

原材料・商品仕入単価DIは、全産業で前期より0.3ポイント増の65.5と2期ぶりに上
昇した。産業別にみると、小売業、卸売業、建設業で上昇し、製造業、サービス業で低下し
た。また、売上単価・客単価DIは、全産業で前期より2.1ポイント減の8.9と3期ぶりに
低下した。産業別にみると、卸売業で上昇し、小売業、製造業、サービス業で低下した。《図2》

最後に、四国地域の中小企業の声をいくつかみてみましょう。

「需要の停滞により、同業他社(競合先)も受注確保に動き、見積もり段階での価格競争が発生している。正当な価格では受注できづらくなっている」。(製造業)

「業界を取り巻く状況は、相変わらず悪い。商品単価・上昇の価格転嫁は出来ているが、加工代の値上げが出来ていない状況。光熱費や人件費、輸送コストの上昇により加工代が圧迫しているので、思い切って上げたい」。(卸売業)

「コロナからの脱却に伴い消費者の景気回復が感じられるが、外食産業においては厳しい面がある。来春に向け少し円高に振れ、輸入原料の価格低下も期待され徐々に回復傾向に向かいそうである」。(製造業)

「中小企業景況調査」の概要

●調査結果発表時期:年4回/四半期ごと(6月/9月/12月/3月)
●調査対象企業 :全国の中小企業 約1万9000社
※<今期の調査>調査対象企業数1万8592社
有効回答企業数1万7565社(うち四国 1272社)
●調査データ :DI(ディフュージョン・インデックス)等で数値を発表。
(例)前年同期比または前期比で、 「好転」と回答した企業比率から 「悪化」と回答した企業比率を引いた数値。
●URL https://www.smrj.go.jp/research_case/research/survey/index.html

独立行政法人中小企業基盤整備機構 四国本部 企画調整課長 十日谷 淳

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