人手不足が中小企業の業績に影響

2018年度「業績見通し」に関するアンケート調査 東京商工リサーチ

Research

2018.07.19

今期、増収を見込む中小企業は36.6%で、大企業は44.0%だった。増益見込みは中小企業が30.7%、大企業が35.4%。大企業の増益予想が中小企業を4.7ポイント上回り、中小企業には景気拡大の恩恵が大企業ほど浸透していないことがわかった。

※本調査は2018年5月18日~31日にインターネットでアンケートを実施し、有効回答6,556社を集計、分析した。資本金1億円以上を大企業、1億円未満・個人企業等を中小企業と定義した。

Q1.売上高の見通しは?

アンケート回答企業6,556社のうち、18年度の売上高見通しが「増収」なのは2,463社(構成比37.6%)、「前年度並み」が2,881社(同43.9%)、「減収」は1,212社(同18.5%)だった。大企業は「増収」が841社中370社(同44.0%)だったのに対し、中小企業は5,715社中2,093社(同36.6%)で、規模による売上高見通しの差が際立った。
東京商工リサーチ調べ

東京商工リサーチ調べ

Q2.増収の理由は?

Q1で「増収」を予想した2,463社のうち2,449社が回答。増収理由で最も多かったのは、「国内法人向け販売の増加」が1,730社。「人材の充足による生産性の向上」が526社、「国内個人向け販売の増加」が334社と続く。

Q3.減収の理由は?

Q1で「減収」を予想した1,212社のうち1,207社が回答。減収理由の最多は「国内法人向け販売の減少」で711社。次いで「人手不足による生産性の低下」の292社で、上位2つの理由で全体の8割を占めた。「人手不足による生産性の低下」は大企業が113社中21社(同18.6%)に対し、中小企業は1,094社中271社(同24.8%)と開きがあった。Q2と同様、人手不足の影響が中小企業の業績に大きなインパクトを与えていることがわかる。

Q4.利益見通しは?

回答企業6,527社のうち、「増益」は2,044社(構成比31.3%)、「前年度並み」は3,013社(同46.2%)、「減益」は1,470社(同22.5%)だった。規模別では、大企業は「増益」が836社中296社だったのに対し、中小企業は5,691社中1,748社にとどまった。
東京商工リサーチ調べ

東京商工リサーチ調べ

生産年齢人口が減少に転じ、人手不足が深刻化する中で、新卒・中途採用ともに「超」売り手市場が続いている。賃金や福利厚生、有給取得などで大企業に見劣りする中小企業は労働市場で草刈り場にされやすく、従業員の流出を防ぐためにも賃金改善に踏み切らざるを得ない傾向にある。賃金の引き上げは収益に直結するだけに、賃上げに取り組む企業は生産性の向上や付加価値の増大に向けた取り組みが急務となっている。

東京商工リサーチ 四国地区本部長兼高松支社長 立花 正伸

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