小豆島再生

元・日本銀行高松支店長 大川 昌男

column

2015.04.02

「せとしるべ」は、サンポート高松のシンボルである赤灯台の別称でもあります。私は、瀬戸内の島々と高松港との往来の際に、「せとしるべ」に挨拶することにしています。先月、小豆島を訪れた際にも、「せとしるべ」と万感の思いをこめて対話しました。

人口減少問題の課題先進島である小豆島にとって、定住人口の増加およびそれに繋がる交流人口の増加が喫緊の課題です。この課題に対処するためには、小豆島の魅力をプライドを持って活用することが考えられます。小豆島を全く知らない人が小豆島に移住することは考えにくいので、交流人口増加のためにも、観光産業を一段と振興すべきでしょう。その際、如何にしてどのような観光客を誘致するか、アクセスは高松経由なのか岡山・兵庫県経由なのかといった諸点につき、PR戦略や観光推進戦略を持つことが重要になります。

小豆島は、滞在型観光地としてのポテンシャルが高いと思います。地中海やエーゲ海よりも風光明媚で心癒される瀬戸内海のパノラマ・ビュー、寒霞渓などの渓谷美をはじめ、醤油・オリーブ・そうめん等にかかる産業観光、シーカヤック・マラソン等のスポーツ観光、瀬戸内国際芸術祭を契機とした現代アート、石の文化、映画・演劇・芸能など、魅力的な観光コンテンツが揃っています。また、香川県が誇るアクリルパネルを使った水族館も今後これに加わることが検討されています。したがって、宿泊・リゾート旅行に加え、大学生の合宿、企業研修のロケーションとしてもフィットするように思います。その実例をあげれば、先月、京都大学アメフト部が好天に恵まれながら実り多い練習に励んでいました。その際、島の小中高生との交流事業に参加し、島の子供たちも文武両道の大学生との交流に感動していたことが印象的です。

観光客のためにも島民のためにも、公共交通インフラ等の整備(効率性・利便性の向上)が急務です。フェリー・高速艇については、例えば、高松港との路線でいえば、土庄・池田・草壁港の一本化を実現し、同一ルートの増便を図れば小豆島へのアクセスが格段に向上し、より多くの観光客が小豆島を訪れるでしょうし、島民にとってもより便利になるのではないでしょうか。勿論、あわせて島内移動の利便性確保が図られることが不可欠です。例えば、周遊バス・路線バスの大幅増便、およびコミュニティバス、デマンド型交通や乗合タクシーの一段の活用等が望まれます。島内の各港から各地への迅速な移動が可能となれば、観光客が増加するほか、島民にとっても学校や病院、商店、飲食店等にバスで、短時間で効率的に移動できるようになり、生活の利便性が格段に向上します。

また、小豆島の観光案内・窓口機能(宿泊案内所、バスターミナル、タクシー乗場、レンタカー・レンタサイクル店などを含む)の充実も重要です。なお、当該機能の担い手について移住者を含む地元の住民が事業化を図る方向となれば、地域経済の一層の活性化に繋がると考えられます。

元・日本銀行高松支店長 大川 昌男

写真
元・日本銀行高松支店長 大川 昌男

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ