移住で見つけた理想の場所

わいんびより 荻野 悦司さん・香さん

Interview

2018.07.19

ワインを気軽に楽しんでほしい。そんな思いで荻野悦司さん(53)・香さん(50)夫妻は、今年3月にわいんびよりを開店した。高松市のライオン通りに面した入り口から入ると、店内には6つのカウンター席と2つのテーブル。カフェのような雰囲気のワインバーの奥には、ワインセラーがある。店はワインショップを兼ねているため、正午に開店。平日が休みの人や、買い物帰りの人に「昼間からワインが飲める」と喜ばれている。
店は高松市のライオン通りに面している

店は高松市のライオン通りに面している

「ワインバーとワインショップを併設した店を持ちたかった」という二人は、香川県に縁もゆかりもない。昨年11月、群馬県館林市から高松市に移住した。「群馬の人にも香川の人にも驚かれるんです」と香さんは笑う。香川県の移住相談窓口や、かがわ産業支援財団のよろず支援拠点などのサポートが手厚く、引っ越しから開店まで半年もかからなかった。

海の近くで気候が温暖、競合店は少ないが、ある程度集客が見込める場所。希望の条件から全国の地方都市を調べて、悦司さんが候補に挙げたのが、高松、広島、福岡だった。

「高松が良い」。決め手になったのは香さんの直感だ。「よく『何もないのにどうして香川に来たの』と聞かれます。でも香川には何でもありますよ」
二人の出会いのきっかけも、もちろんワインだ。群馬県内の電機メーカーで働いていた悦司さんは、オーストリア・ウィーンへ旅行した際にワインのおいしさを知った。クラシック音楽も好きだったため、何度もウィーンへ旅行。会社の統廃合をきっかけに退職し、館林市のワインショップで働き始めた。

香さんも元々は東京都内で会社員をしていた。飲料メーカー主催のカクテル講座を受講したところ面白く、バーテンダーに転職。ブームをきっかけにワインの勉強を始め、ニュージーランドで醸造方法も学んだ。そして、館林市に隣接する栃木県足利市のココ・ファーム・ワイナリーに就職した。

悦司さんがココ・ファーム・ワイナリーのオーストリア研修旅行でガイド役を務め、香さんと知り合い、結婚。いつか二人で店ができたらと考えるようになった。
店内奥のワインセラー

店内奥のワインセラー

わいんびよりでは、毎日6種類ほどのワインを用意。1杯600~1,200円で味わえる。扱うワインは、まず二人が飲んでおいしいと思えるもの。誰かが評価したものではなく、きちんと味を確かめる。

「ワインは世界中で作られているので、種類が豊富で興味は尽きません。日本国内もワイナリーが増えていて、現在300近くあるといわれています」と悦司さん。香さんは「いろんな形でワインの魅力を伝えられたら」と話す。6月には初めてセミナーを開催。白ワインの品種別テイスティングを行った。

「どんなワイナリーでつくられたのか、なぜ自分たちがこれを選んだのか、ワインについてお客さんと語り合いたい」。ワインの話をする二人は本当に楽しそうだ。

鎌田佳子

荻野 悦司 | おぎの えつじ

1965年 群馬県生まれ

荻野 香 | おぎの かおり

1968年 三重県生まれ

わいんびより

住所
高松市片原町9-15 1F
TEL:087-851-8100
定休日
第2・第3火曜日、毎週水曜日
地図
URL
https://www.winebiyori.net/
確認日
2018.07.19

記事一覧

おすすめ記事

メールマガジン登録
メールマガジン登録
ビジネス香川Facebookページ