職人の誇りを胸に

都島興業 代表取締役 眞部 達也さん

Interview

2016.07.07

前列中央が眞部さん。三木町の都島興業

前列中央が眞部さん。三木町の都島興業

「かっこいい仕事なのに、なんでみんな自信を持てないんだろう」。眞部達也さん(39)が家業を手伝い始めた時に社内の雰囲気から感じたことだ。父が創業した都島興業は、建設会社から鉄筋工事を請け負う仕事をメインにやってきた。暑い日も寒い日も現場に出て鉄筋を組む職人たち。この仕事に眞部さんは誇りを感じている。
子どもの頃から料理が好きで、調理師専門学校に進んだ。大阪や高松のホテルで洋食のコックとして働いた後、知人に神戸のレストランに来ないかと誘われた。神戸に行くまでの間だけと思い家業の手伝いを始めると、鉄筋工の仕事にのめりこんでいった。「楽しくて楽しくて仕方なかったですね。いろんな現場へ出て、行くたびに建物がどんどんでき上がって、多くの人と知り合いになれて・・・」

父からは大変な仕事だから継がないでほしいと言われていた。だが現場を経験すると、誰よりも多く資材を運んで、誰よりも速く鉄筋を組めるような職人になりたいと思うようになった。「調理師も鉄筋工事も、つくる仕事。それが僕には合っているんだなと思いますね」

調理師からの転身後、また一つ転機が訪れた。リーマンショックの影響で建設需要が急激に落ち込み、会社が厳しい局面に立たされたのだ。代表だった父からは新しい考えで舵を取ってほしいと言われ、専務として経営に携わるようになった。そこで財務内容の改善と自分たちにしかできない仕事を見つけようと動き始めた。

最初に取り掛かったのは大きな値引きの廃止だ。「お客様一人一人にお願いしました。うちを応援する気持ちで払っていただきたいと言ったら、多くの方が対応してくださったんです。それだけで利益率が2%違いました」

次の一手として、鉄筋工ならではの事業を模索した。そんな時に出合ったのが、福岡県の柳井通商が開発した「鉄筋ジャバラユニット工法」だった。通常、工事現場で組み立てる鉄筋を、あらかじめゴム付きの結束線でとめてすだれのように組んでおく。畳んだり伸ばしたりが自在になるため、資材の運搬効率向上と現場での据え付け作業短縮を図れる。作業時間は40~60%ほど短縮できると言う。

都島興業は約5年前に鉄筋ジャバラユニット工法の特約店となり、販売担当エリアの四国全域と兵庫県で採用実績を伸ばしている。「新規事業を始めたのは僕ですが、一人では何もできません。一緒にやってくれる仲間と、理解して採用してくださるお客様の力があって今があると思っています」

鉄筋ジャバラユニット工法以外にも、鉄筋工事に必要な資材の開発や新たな工法の発掘に積極的に取り組む。「鉄筋工は人数が減り、高齢化も進んでいます。作業の省力化は今後ますます必要になってくるのでは」
一昨年、EMO(エモ)という会社を立ち上げた。社名にエポックメイキングをする組織でありたいとの思いを込めた。鉄筋工事に関連する資材の販売やウェブシステム事業を行う。

そして眞部さんは今年、都島興業の代表となった。「建設業界はIT化が遅れていて情報の共有がしづらい。地方で埋もれている素晴らしい技術をインターネットで発信して買ってもらう。その流通スキームを作り上げたい」。目指すのは鉄筋工事の更なる省力化と、建設資材の流通革命を起こすことだ。

副編集長 鎌田 佳子

眞部 達也 | まなべ たつや

1976年 8月 さぬき市生まれ
1996年 3月 辻調理師専門学校 卒業
2001年 4月 有限会社都島興業 入社
2003年 4月 工事部長 就任
2008年10月 専務取締役 就任
2016年 3月 代表取締役 就任
写真
眞部 達也 | まなべ たつや

有限会社都島興業

住所
〔前山工場〕さぬき市前山1174-1
〔事務所・三木工場〕三木町大字井戸1577-1
087-899-8085
事業概要
鉄筋工事など
資本金
500万円
社員数
14人
地図
URL
http://miyakojima-unit.com/
確認日
2018.01.04

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