求人・求職のポイントは“人”にあり

株式会社Woriks 代表取締役社長 秋吉 直樹さん

Interview

2018.03.01

就職・転職活動で企業を選ぶ時に参考にする求人情報は通常、職種や給料などの条件が中心だ。しかし、秋吉直樹さん(29)が運営する求人サイト「ヒトデ」は、そこで働く“人”に照準を当てている。サイトでは、働く人の仕事への考え方、趣味や休日の過ごし方といった部分まで密着した様子をインタビュー形式で掲載。求職者は人の生き方を通して、「誰と一緒に働きたいか」を選ぶ。

それぞれの生き方に寄り添いながら最良のパートナーをマッチングする仲人役。それが香川で見つけた自分のやるべき仕事だった。社名の「Woriks(ウォリクス)」は、Works(仕事)の真ん中にi(人)を置いた。

大学在学中から漠然と考えていた起業。卒業後は小田原市役所に就職したが「事務方よりもプレーヤーでありたい」と、香川県が募集した地域おこし協力隊に応募。全国から香川に移住した協力隊同士の連携を深め、行政職員や地域住民とのスムーズな橋渡しをするのが秋吉さんに与えられた任務だった。
全国の講演会で活動報告することもしばしば

全国の講演会で活動報告することもしばしば


「自分に何ができるのか?」。模索しながら走り続けていた時、ある地域住民から「協力隊の募集をかけても一向に人が集まらない」と相談を受けた。「他と差別化を図るのが難しい地域だけに選んでもらうのも難しい。でも地域を思う住民の熱量はすごいものがある」。思い切って、日々の暮らしぶりや町おこしの活動など「住民」にスポットを当ててホームページにアップしたところ、多数の反響があった。「選ばれる基準は人?」と感じた瞬間だった。

ヒトデのサイト上で紹介するのは、ごく普通の社員。「優秀な人を紹介して『すごいなぁ』で終わるよりも、見た人に『この人となら一緒に働けるかも』と共感してもらうことが大事。社内では目立たなくても、素敵な人はいっぱいいます」。組織の中にいると気付かない社員の魅力を発掘・発信するのも仕事の一つだ。

現在ヒトデに来る求職者の8割近くは20代~30代だ。まずは会ってじっくり話を聞き、考え方やその人の中で仕事がどういう位置づけなのかを確認。それを踏まえ、その人に合う職場や会社の「人」を紹介している。「『秋吉君が紹介するなら』と自分を信頼してくれる企業や、頼ってくれる求人者のためにも頑張りたい」
小学生から続ける野球。 今も草野球チームで活躍中

小学生から続ける野球。
今も草野球チームで活躍中

香川に来て自身にも大きな変化があった。学生時代は野球部のキャプテンやゼミ長を務め、人に断定的に意見することが多かった。しかし今は「自分の価値観を人に押し付けなくなりました。幸せの基準は人それぞれですから」。人との触れ合いの中で成長していく自分を客観視している。

将来は「年齢、性別、国籍、障がいの有無など関係なく、みなさんが『この人と一緒に働けて幸せ』と思える出会いをつくっていきたいですね」と話す。

秋吉 直樹 | あきよし なおき

1988年 神奈川県小田原市生まれ
2007年 西湘高校 卒業
2011年 東海大学体育学部
    スポーツ&レジャーマネジメント学科 卒業
    小田原市役所観光課 入庁
2015年 香川県地域おこし協力隊コーディネーターとして
    香川県へ移住
2017年 (株)Woriks設立

株式会社Woriks

住所
高松市常磐町2-14-1-3階
TEL.050・5243・0746
事業内容
求人サイト運営、職業紹介
(有料職業紹介事業許可番号 37-ユ-300111)
資本金
500万円
地図
URL
http://hito-de.com/
確認日
2018.03.01

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