おいしさのポイントは 脱アルカリ性

ハイスキー食品工業 マンナンミール

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2017.08.17

人間が「おいしい」と感じるのは、食べ物のpH(0~14で7が中性)が5前後の弱酸性の場合だという。例えばしょうゆはpH5だ。それに対してアルカリを加えて固めるコンニャクはpH11。アルカリ性であるためそのまま食べると味に違和感があり、しょうゆなどを加えて調理することでおいしくなる。「このコンニャクを、そのまま食べてもおいしいpH領域に持っていき、食品原料として使いやすいように加工したのがマンナンミールです」とハイスキー食品工業代表取締役社長・菱谷龍二さんは言う。

開発の背景には、健康志向がある。コンニャクが低カロリーであることは昔から知られていたが、そのまま食品に加工してもおいしくない。この課題を克服するために取り組んだのが脱アルカリ技術だった。最初はリンゴ酸などを加えて酸性にしようとしたが、コンニャクが崩れてしまう。2年かかってようやく完成したのがアルカリ性を中和したコンニャク加工食品「マンナンミール」だ。コンニャクに含まれるグルコマンナンが名前の由来で、これを使ったレバーや漬けマグロの代替品を発売している。

脱アルカリ技術に加え、自由に色を変える技術と水分率を調整して食感を変える技術も開発。コンニャクの黒い色に拒否感がある海外の人にも、オレンジなどおいしそうな色に変えれば受け入れられる。また、食感をコントロールすればスムージーやあんこ、ミンチ肉、サーモンなどあらゆる加工品に応用できるという。「小麦は麺やパンなど、さまざまな食品に加工できるからこれだけ食品原料として広がった。コンニャクもその可能性を秘めている。コンニャクの新たな価値を世界に発信したい」と菱谷さんは意気込む。

お問い合わせ:TEL.087・898・1125
http://www.haisky.co.jp

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