技術で牛を育てる農家を支えたい 分娩音声検知システム

i-MADE

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2018.10.04

香川大学農学部大学院に在籍する今出雄太さんは、畜産に関する技術開発を手掛ける「i-MADE」を立ち上げ。県や企業と共同で「牛の分娩音声検知システム」の開発を進めている。

牛を育てる農家にとって、分娩の時、事故で親牛や子牛を失うと、その経済的な損害は大きい。分娩の時、母子ともに死亡するリスクは高く、人間が立ち会って異常にいち早く気づくことが重要だといわれている。しかし、出産予定日は多少ずれる場合もあり、その間ずっと見守るのは農家への負担が大きい。「高齢化が進む繁殖牛農家さんを技術で支えられないか、というのが開発のきっかけでした」と今出さんはいう。

検知に使うのは牛の鳴き声。農家の協力のもと、通常時と分娩時の鳴き声のサンプルを採取して違いを分析。ある法則性を見つけ、それをデータ化して違いを聞き分けられるシステムを開発した。誤検知が少ない精度の高さが特徴だ。「今後さらにサンプル数を増やすことで、出産当日が特定できる」という。

農家が使用する時は、小型マイクを牛に装着し音声を採取。分娩の兆しがあればスマホなどに情報が届くしくみだ。「小規模な農家さんや高齢の農家さんも使いやすいよう、できるだけシンプルな機器にしたかった。少しでも作業の負担を減らすことで、新たに畜産に参入する人を増やしたい」と意気込む。

この取り組みが評価され、かがわ産業支援財団が実施する「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2017」優秀賞を受賞。「応募用の企画書をまとめることで、どのようにビジネス展開していけばいいか見直すきっかけにもなった」という。

現在は、年度末の発売を目指して商品化を進めている。

【問い合わせ】 i-MADE
〈Mail〉 yutaimade0815@gmail.com

《かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2018募集》

香川の将来を担う革新的なベンチャーを発掘し、その起業を支援するため、(公財)かがわ産業支援財団では「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2018」を開催。2018年度の応募を受け付けている。応募期限は11月2日(金)必着。最優秀賞には、最大200万円の助成金のほかインキュベータールーム1年間無料提供などの特典がある。

同時に、すでに独創的なビジネスモデルを樹立・実践し、実績をあげている人を表彰する「かがわ発!先進的ビジネスモデル2018」の応募も受け付けている。応募期限は11月30日(金)必着。いずれも詳細はHPで確認を。

公益財団法人かがわ産業支援財団企業支援課
TEL.087-840-0391
https://www.kagawa-isf.jp/

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