※本調査は、東京商工リサーチ(TSR)が保有する国内最大級の企業データベース(約480万社)を活用し、リーマン・ショック前の07年度から直近の17年度まで、11期連続で単体の業績比較が可能な26万5,763社を抽出し、分析した。
売上高と利益 好対照
産業別 小売業が苦戦
利益合計(非上場)をみると、17年度時点では農・林・漁・鉱業と小売業を除く8産業が100.0を超えた。最もポイントが高かったのは建設業で423.4だった。公共投資の増加に加え、震災復興や東京五輪の特需が寄与。民需もマンション、オフィスビルなどの活況を背景に、大幅に改善した。一方、小売業は08年度に29.6まで低下し、17年度は74.0。労働集約型産業のため、人手不足と人件費高騰が収益面を圧迫している状況を映している。
地区別 四国は105.6
リーマン・ショック後の日本経済は回復過程にあるが、今回の調査では建設業など、一部の業種に支えられている側面が強いことが明らかになった。ものづくりの根幹を担う中小製造業の付加価値力の向上や労働分配率の底上げが急がれる。売上高はリーマン・ショック前の壁を乗り越えることが難しい状況にある。こうした時期こそ将来を見据えた営業施策、円滑な事業承継など足腰の強い中小企業を育成する施策が必要だろう。
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