
地域経済の「なぜ」を解明
研究テーマには地元のふとん太鼓を選んだ。「祭りをデータ化してみようと思ったんです。祭りを通して、昔から住んでいる人と他地域から引っ越してきた人が交流するなど、堺の人々のネットワークがどのように出来上がっていくのかを調べました」
1995年から香川大学経済学部で教鞭をとる。学生時代に学んだ地理学の視点から、経済活動について考える。葉っぱビジネスを行う徳島県上勝町など、地域を元気にする活動に着目した研究の指導を行った。

米国留学時に、家族とモニュメントバレーへ
中でもコンピューターグラフィックス(CG)のスーパーバイザーに焦点を当てた。CGを使って監督が表現したい世界をどう作るか、制作会社の選定や予算管理を担う重要な仕事だ。原さんは映画関係者が集まる会議があると聞けば参加し、そこで知り合った人の会社を訪問。スーパーバイザーに関する調査への協力を依頼した。

カリブ海のセント・マーチン島でシーカヤック
プロを相手に授業
香川大学のビジネススクールは地域活性化に貢献する教育研究を目的とした経営系専門職大学院で、平日の夜間に授業を行う。学生の多くは社会人であるため、当初はプレッシャーを感じていた。
「企業や自治体などで働く学生たちは各々がいわば専門家。それぞれの仕事や産業については、学生の方がよく知っています。でも、様々な業界を俯瞰して見えてくる、物事に対する考え方や捉え方については十分助言できる。学生の成長を効果的に支援できることも実感し、指導を行ってきました」
学生たちの話を聞く中で分かったのは、それぞれの社会経験の中に本人も気付かない宝が眠っているということだ。学生からのフィードバックで、授業がより立体的になるように感じている。「まるでサーフィンみたいです。どんな波が来るかは分からない。来た波に合わせて乗っていくと、さらにいい波が来る。そんな授業ですね」
ビジネススクールのこれから
原 真志 | はら しんじ
- 略歴
- 1965年 大阪府堺市生まれ
1990年 東京大学教養学部 卒業
1995年 東京大学大学院総合文化研究科
博士課程単位取得退学
香川大学経済学部 専任講師
1996年 香川大学経済学部 助教授
1998年 UCLA客員研究員(2011年にも同職)
2004年 香川大学大学院地域マネジメント研究科 助教授
2007念 香川大学大学院地域マネジメント研究科 准教授
2011年 香川大学大学院地域マネジメント研究科 教授
2015年 香川大学大学院地域マネジメント研究科 研究科長
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