ファミリーマートという看板を次の世代にリレーする

ファミリーマート 四国ディストリクト統括部長 宇佐美 健二さん

Interview

2016.09.01

コンビニ業界に入ろうと思っていたわけではなかった。友人と何となく出かけた会社説明会で先輩がファミリーマートの10年後20年後の夢を語ってくれた。それで最後まで残って適性検査を受け、気が付けばずっとこの会社にいると言う。「不思議な縁ですが、その縁は大事にしたいですね」

地域にどれだけ貢献できるか

高校時代は野球部。熱烈な掛布ファン

高校時代は野球部。熱烈な掛布ファン

現在は、新規店舗を出店していく部門と、加盟店の皆さんと一緒に売り上げを上げていく部門の四国地区を統括する業務。入社した約30年前でさえ、すでにコンビニは飽和状態でこれ以上増えないと言われていた。しかし現在までその数は増え続け、扱う商品は大きく変わった。「もう、モノだけを売る時代は終わりました。公共料金などの支払い、ATM、気軽に利用できるトイレの提供・・・。あったらいいなと思えるサービスの追求に加え、今後は新たな役割も出てくると思います」

例えば、防犯拠点としての役割だ。来店者に、暗い夜道に明かりがついていてホッとしたと言われたこともある。さらには、災害時の地域貢献。厳しい競争の中、生き残るにはいかにお客さんとの距離を近づけるか。ご近所の人と顔なじみになる、高齢化社会に向けての商品を充実させる。「あてにされる存在になりたいですね。ファミリーマートの将来あるべき姿を加盟店の皆さんと語り、一緒に作っていきたい」

長く続く縁を大切に

宮古島の東平安名崎灯台にて

宮古島の東平安名崎灯台にて

今夏は宮古島に行った。沖縄出身の奥さんの影響もあり、おおらかな沖縄の人や明るい雰囲気が好きだと言う。「この間は善通寺に行きました。四国にいる間に四万十川や足摺岬にも行きたいですね」

とはいえ、旅行は久しぶりだった。「本当に趣味がなくて。休日も会社にいることが多いんですが全然苦になりません」。そう言い切れるのは、仕事を通じての出会いが楽しいからだ。今回の赴任が10年ぶり2度目の四国だが、以前担当していた加盟店オーナーにあいさつに行くと覚えていてくれた。「お互い10年歳を取って・・・。お店を長く続けてくれていることが嬉しかった」。加盟店の皆さんに、ファミリーマートをやってよかったと言ってもらえる仕事をしたいと考えている。

元気、勇気、夢

入社当時の宇佐美さん

入社当時の宇佐美さん

現在、ライバルはスーパーやネットショッピングなど、コンビニ他社だけではない。取り巻く環境は厳しさを増すが、そんな時は秘書室長時代に間近で見ていた当時社長の上田準二さんの言葉「元気、勇気、夢」を思い出す。変える時は勇気を持ち、無理だとあきらめずに夢を語る。秘書室を経た後は、ドラッグストアや農協、カラオケボックスなどとの複合店オープンを手掛けマスコミにも注目された。
後輩にいつも言っている言葉がある。「僕らはこのファミリーマートという会社をリレーしているだけ。だから今、きちんと仕事をして次の世代につなぐ役割がある」

最近、高1の息子さんが「ファミリーマートに入りたいな」と言ってくれた。「今は厳しいからお前には無理や」と言いながら、内心は自分の仕事を認めてくれていることが嬉しかった。「そうなったら辞めるかもしれません。だって僕が怒られている姿を息子は見たくないでしょう?」。ほんの少し父親の顔になった。

宇佐美 健二 | うさみ けんじ

略歴
1966年 1月 兵庫県生まれ
1989年 3月 神戸学院大学経済学部経済学科 卒業
1989年 4月 株式会社ファミリーマート 入社
2000年 9月 関西リージョン京都東エリア エリアマネジャー
2005年 3月 埼玉ディストリクト 部長代行
2005年 9月 中国・四国ディストリクト 部長代行
2009年12月 関西第3ディストリクト 統括部長
2012年 3月 秘書室(兼)ディストリクト業務室 室長
2015年 3月 開発本部一体型開発部 部長
2016年 3月 四国ディストリクト 統括部長

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