多角化経営支える「ONE」の精神

ヒカリ 社長 池田 孝道さん

Interview

2020.02.06

フィットネスクラブ レフコ丸亀店。  「レフコ(REFCO)」には、「リラックス(RELAX)」「フィットネス(FITNESS)」  「コミュニケーション(COMMUNICATION)」の意味が込められている=丸亀市田村町

フィットネスクラブ レフコ丸亀店。

「レフコ(REFCO)」には、「リラックス(RELAX)」「フィットネス(FITNESS)」

「コミュニケーション(COMMUNICATION)」の意味が込められている=丸亀市田村町

建設業者がフィットネスも

建設、フィットネスクラブ「レフコ」運営、福祉、飲食、アグリ……丸亀市の株式会社ヒカリは、あらゆる顔を持つ。「様々なやり方で、地域やお客様や従業員を笑顔にする“光”のような存在でありたい」と社長の池田孝道さん(62)は力を込める。

1953年、住宅や、民間企業の事務所や工場をつくる「総合建設業」として歩みをスタートさせた。2000年頃、当時の社長と親交があった、全国有数のフィットネスクラブ運営やコンサルティングを行う株式会社フィットネスマネジメント(千葉県)の経営者から「高松でも出店したい」と相談されたことが、多角化経営へ舵を切るきっかけになった。「バブル崩壊で売上が半分以下にまで落ち込んでいました。『建設以外のものを何かやらないと生き残れない』と、ちょうど議論していたところでした」

当時フィットネスクラブと言えば「駅の近く」に立地するのが一般的だった。だが、「地方なら“幹線道路沿い”が狙い目」とにらんだ。土地を探して施設をつくる。建設業としての強みを生かしてフィットネスクラブ運営に参画。2000年、ゆめタウン高松に協同事業としての1号店を出店し、松山、久留米、大分と、次々にロードサイド型をオープンさせた。

10年、ともに店舗開発を進めてきたフィットネスマネジメントを吸収合併。その後も地方都市を中心に出店を加速させ、現在「レフコ」は全国に11店舗、総会員数は2万人に迫る。「国内のフィットネスへの参加率は全人口の4%程度と言われています。初心者向けの優しいレッスンプログラムを組んだり、地域のイベントに積極的に参加したり、もっと“敷居を下げて”参加率を欧米並みの10%まで引き上げたい」と池田さんは意気込む。

芽生え始めた「ONE」

高松市西宝町のアグリ工場

高松市西宝町のアグリ工場

「ONE TEAM(ワンチーム)」。昨年のラグビーワールドカップで大躍進した日本代表を支えた言葉だ。

17年、池田さんは「みんなで同じ方向を向いて一つになろう」と、『ヒカリONEプロジェクト』を立ち上げた。

LED照明を使った水耕栽培の植物工場でレタスや水菜を育てるアグリ事業、地域に根ざした訪問看護サービスを行う福祉事業にインターネットカフェ運営など、多角化経営は景気などが変動してもグループ内でカバーし合えるのがメリットだ。だが一方で、「“人”の問題が大きな悩みでした」

12年の社長就任後、池田さんは全スタッフを対象に「ES(従業員満足度)調査」を行った。一人一人、じっくりと時間をかけて面談することで本音が見えてきた。会社への不平不満もあったが、それ以上に気づかされたのが「別部門の従業員に対する『無関心』でした」

様々な事業を展開しているからこそ、お互いがお互いを知り、認め合わなければならない。会社の一体感を生み出すため、「ヒカリONEプロジェクト」では定期的に部門間混合での研修を行い、一緒に会社の未来などについて話し合う。また一昨年は、グループ内のスタッフは尊重し合う仲間であり良きライバルだと謳った「ブランディングブック」を製作した。「今は建設部門が会社を引っ張っていますが、フィットネスに支えられた時期もあります。会社がどんな歴史を歩んできたか、仲間がどんな仕事に頑張っているか……お互いを理解することで、相乗効果に加え、新しいことにも積極果敢にチャレンジしようという社風も育ちつつあります」。芽生え始めた「ONE」に池田さんは目を細める。

「仕事を楽しめ!」

ヒカリが手がける建設工事

ヒカリが手がける建設工事

小学生の時、自宅が新築される様子にワクワクし、建設業界に興味を持った。多度津工業(当時)建築科を卒業後、光建設(現ヒカリ)に入社。長年、商業施設や公共施設の建設工事に携わってきた。「仕事が楽しくて楽しくて仕方がなかった。体がヘトヘトになっても、帰宅するのが深夜になっても、手がけた建物が完成すると疲れも吹き飛んだものです」。そして、こう続ける。「従業員と接する時はいつも『仕事を楽しんでいるかな』というのが気になります。仕事は楽しくないと続かない。楽しく働ける環境をつくること、『仕事を楽しめ!』と背中を押すことが、今の私の仕事ですね」

今後も多角化を進め、会社を常に活性化させたいと話す。「会社というのは、変化がないと良くて現状維持止まり。決して成長は望めません」

次はどんな領域に狙いを定めているのだろうか。「高齢者向けの福祉事業をさらに広げ、医療や観光分野にもチャレンジしたい」。特に注目しているのは「子ども」だ。「目の機能が低下している子どもが増えていると言われます。視力などを改善することで、運動能力や集中力を高めることができる。フィットネス事業と連携し、子ども向けのトレーニングプログラムも充実させていきたいですね」

100%の能力に対して120%の仕事をする。仕事が人を育てる。これが池田さんのモットーだ。「失敗してもいいんです。足りない20%をどう捉えて、どう乗り越えるか。考え抜いてチャレンジすることで、人は成長できると思っています」
「100%の能力に対して、120%の仕事をする」  =丸亀市田村町のヒカリ本社

「100%の能力に対して、120%の仕事をする」

=丸亀市田村町のヒカリ本社

篠原 正樹

池田 孝道|いけだ たかみち

略歴
1957年 仲多度郡満濃町(現まんのう町)出身
1976年 多度津工業高校(現多度津高校)建築科 卒業
     株式会社光建設(現ヒカリ)入社
1996年 本部工事部マネージャー
1999年 ISO事務局 局長
2000年 LICS事業部 部長
2002年 取締役
2008年 常務取締役
2012年 代表取締役社長

株式会社ヒカリ

住所
香川県丸亀市田村町1238番地
代表電話番号
0877-22-4141
設立
1954年
事業内容
建設業(建築・土木・設計・施工)、不動産業
フィットネスクラブ運営
介護福祉コンサルティング
ネットカフェ業 他
資本金
9600万円
関連会社
株式会社四建プラント、株式会社アルペジオ
株式会社兼六ジャパン、株式会社オーシャンズ
地図
URL
https://www.hikari-c.co.jp/
確認日
2020.02.03

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