ITで日本に恩返しを

Dreamly CEO ラーション・ラーシュさん

Interview

2020.02.20

ITで顧客の課題を解決する株式会社Dreamly(高松市)は、2019年に設立。スウェーデン、カナダ、マレーシア、台湾、日本の7人が働く。代表を務めるのは、スウェーデン生まれのラーション・ラーシュさん(32)。17年に日本へ移住してきた。

社名には3つの意味を込める。「地方だから」と、業務の効率化やイノベーションを諦めている企業をITで支援し、夢の実現を手伝う。日本人と外国人が同じ職場で、夢を持って働ける。そしてラーシュさん自身の夢を形にする。ラーシュさんの夢は、日本人に役立つサービスを提供することだ。
Dreamlyのオフィス

Dreamlyのオフィス

子どものころ、日本のアニメをよく見ていた。「セリフは日本語で流れて、英語の字幕が付いているものです。高校生まで何を見たか記録していたのですが、200を超えたあたりで数えるのをやめました」と笑う。自然と日本に興味を持ち、いつかは行ってみたいと思うように。

同時に興味を持っていたのが、パソコンやインターネットだった。「ゲームをきっかけにパソコンを触るようになりました。父がパソコンを買い替えたときに古いものをもらって、分解やカスタマイズをしていましたね」。中学生になると、周りの友人はプログラミングもするようになっていた。「プログラミングに興味はあったけど、最初の一歩が踏み出せなかった。友達のことを魔法使いみたいだなと感じていました」

高校卒業後、軍隊を1年経験して、警察官を目指した。「スウェーデンは人口の10分の1が移民。警察官になるには、様々な言語を学ぶ必要があります」。入学したベクショー大学(当時)で出会ったのが、日本人留学生だった妻だ。彼女は留学を終えて日本の大学を卒業した後、09年にスウェーデンに移住。13年に二人は結婚した。

ラーシュさんはガードマンとして働きながら、このまま警察官を目指すか悩んでいた。「人助けがしたいと思っていたけど、何か違う気がして……」。そんな時、同僚に勧められたのが、理工系総合大学のスウェーデン王立工科大学だった。「その大学を中退した人で、『若いうちに勉強したほうがいい』と背中を押してくれた」
2月5日のコンペで

2月5日のコンペで

今年2月5日、かがわ産業支援財団が主催するビジネスモデルのコンペで、Dreamlyが最優秀賞を受賞した。医療機関で使う共通診察・予約・呼び出しアプリを開発中で、21年に提供を始める予定だ。

ラーシュさんが日本で役立つサービスを提供したいのには、理由がある。「妻という宝物をプレゼントしてくれた日本に、恩返しがしたい。私にできることはITでものをつくること」

現在、高松市の常磐町商店街の中にあるビルの4階にオフィスを構えている。1~3階までは濱川学院(高松市)がプロデュースするインキュベーション※施設として、オープンする予定だ。ラーシュさんも、施設に集まる起業家やエンジニアを支援していく。

※起業や新規事業を支援すること

鎌田 佳子

ラーション・ラーシュ

略歴
1987年 スウェーデン生まれ
スウェーデン王立工科大学でコンピュータサイエンスを学び、スウェーデンや東京で開発者を経て
2019年 株式会社Dreamly 設立

株式会社Dreamly

住所
香川県高松市常磐町1-6-6
事業内容
ソフトウェア開発
地図
URL
https://dreamly.se
確認日
2020.02.12

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