プログラミング的思考はすべての基礎に

サンステップ 代表 大西誠人さん

Interview

2019.06.06

モニターに映っているのが「ビジュアルプログラミング言語」

モニターに映っているのが「ビジュアルプログラミング言語」

90分間、子どもの集中力が切れることはない。プログラミング教室「サンステップ」の授業風景だ。高松市と丸亀市で2教室を運営。4歳から15歳まで50人の子どもが通う。

授業はタイピング練習と前回の復習をしてから、一人ひとりの習熟度に合った課題に取り組む。初めはテキストではなく「ビジュアルプログラミング言語」を使って、プログラムを作っていく。ブロックを積み重ねていくようなゲーム感覚で、プログラミングの基礎を学べるという。

2020年度、小学校でのプログラミング教育が必修になる。サンステップ代表の大西誠人さん(41)は「必修化を心配している保護者の人は多いと思います。でも子どもは柔軟。十分対応できますよ」と話す。今年から教員の研修も手掛ける予定だ。
習熟度に合った教材でプログラミングに挑戦

習熟度に合った教材でプログラミングに挑戦

大西さんは20年以上前からパソコンをいじるのが好きで、独学で組み立てたり、ホームページを作ったりしていた。けれど「それが仕事になるなんて、当時は分かりませんでした。世の中にどんな職業があるのかも知らなかった」。高校卒業後は勧められるがまま呉服店に就職。建設会社、税理士事務所と転職した。

15年間勤めた税理士事務所は、祖母の介護を手伝うことをきっかけに退職した。事務作業の自動化やIT化が進む中で、このままでは仕事がなくなるという危機感もあった。「会社員時代は、上司に言われたことをするのが仕事だと思っていました。忙しく、楽しむ余裕もなかった」と振り返る。

独立した大西さんは、得意なホームページの制作を仕事として請け負うほか、コワーキングスペース(複数人で共有するオフィス)の運営を始めた。その中で、愛媛や広島、大阪でプログラミング教室を運営する「テックプログレス」を知る。「コワーキングスペースを生かして寺子屋のようなことがやりたいと考えていたので『これだ!』と思いました」。フランチャイズ契約を結び、2017年からサンステップを始めた。

「世の中には約3万種の職業があると言われています。知らないと選択肢に入れられない。自分は今の仕事にたどり着くまでに時間がかかってしまった。プログラミングには読解力や計算が必要なので、算数や国語、英語などの教科を横断的に学べます。子どもの可能性を引き出し、広げることがしたい」
サンステップの授業風景

サンステップの授業風景

医師、IT企業の経営者、ユーチューバー…。現在サンステップに通う子どもたちの夢は様々だ。「将来、どんな職業に就いたとしても、プログラミングを学んだことは無駄になりません。いろんな角度から物事を見られる人になるはずです」

大西さんが大切にしているのは「ユーモアを持つこと」。何事も続けないと上手くならない、楽しくないと続けられないと考えている。「大人の姿を見て子どもは育ちます。自分が楽しむ姿を、教室の生徒にも自分の子どもにも見せたいと思っています」

生徒数、教室数を増やしていくのが目標だ。子どもの「ネット依存」や「ゲーム依存」も話題になる中「パソコンやタブレット、スマートフォンは必ず使うもの。うまく付き合っていくしかありません。人は自分がインプットしたことしかアウトプットできませんから、運動や旅行など実際に体験することも大事だと伝えたいですね」

鎌田 佳子

大西 誠人|おおにし まこと

略歴
1977年 高松市生まれ
1996年 高松中央高校 卒業
呉服店、建設会社、税理士事務所を経て独立
2017年 サンステップ オープン

サンステップ

住所
香川県高松市屋島西町1950-1 春日河ビル2階
代表電話番号
087-899-6585
地図
URL
http://www.sunstep.jp/
確認日
2019.06.03

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