セブンの存在感を高めたい

セブン-イレブン・ジャパン 岡山・四国ゾーン ゾーンマネジャー 内竹善哉さん

Interview

2019.06.06

いまやコンビニはモノを売るだけではなく、社会的な役割も大きい。「セブンのあり方が変わったと私自身が実感したのは、東日本大震災がきっかけでした」。当時、担当していたのは千葉県市原の店舗。電力不足のため計画停電が実施される中、停電時以外も店頭看板などを消し、店内の蛍光灯も一列分抜いて営業した。「ある日、お客様から『コンビニの電気が消えると通りが暗くなって帰るのが怖い』といわれました。セブンの明かりが地域の安心安全のインフラなんだと改めて思いました」

地域の課題に対してセブンイレブンができることは何か。北海道に赴任した時は、買い物弱者の支援として「ネットコンビニ」を立ち上げた。ネットコンビニは、広い北海道で買い物に行くお店がすぐ近くにない人たちに向けたサービス。スマホで注文すると近くのお店から商品を宅配業者が最短2時間で届けてくれるシステムだ。

「仕組みを考えシステムを開発するのに1年以上かかりました。会社からOKが出るまで説得するのも大変でした」。ニーズはあるのか、投資に対して採算は合うのか。「これからの高齢化社会、どの地域も買い物困難な人は増えてくる。これは今後、セブンの成長を支える事業になるはずだ、と思いを伝えました」。何度もプランを立て直した提案が認められ、ネットコンビニは北海道での実証実験を経て、全国で取り組みが始まる予定だ。

地域を知り、楽しむ

小田原に旅行した時の様子

小田原に旅行した時の様子

 47都道府県の中で行ったことがない場所はたくさんある。だから、いろんな地域に転勤したいという。赴任地では地域を知り、とことん楽しむ。北海道では、大学生の頃に憧れていたパウダースノーのゲレンデでスキーをした。「香川は、20年以上前に妻と2人でレオマワールドに遊びに来た思い出の地なんです。いる間にいろんなところに行きたい。遍路もまわりたい」

今、瀬戸内という地域に注目が集まっていると感じている。インバウンドも増えている。「外国人観光客の不満として、閉店時間が早い、Wi-Fiが少ない、お金を引き出す場所が少ないなどがありますが、セブンならそれらに対応できる。今後は免税対応などを進めて、新たな需要を取り込みたい」

セブンに野菜市

毎週金曜の野菜市。店内でも野菜果物を販売

毎週金曜の野菜市。店内でも野菜果物を販売

昔は百貨店、スーパー、ドラッグストア、コンビニ…それぞれ扱う商品が違っていたが、今は垣根がなくなっている。そんな中、岡山・四国ゾーンで打ち出した施策が「セブンの経済活動の幅を広げる」。その取り組みの一つとして、高松サンポート店で毎週金曜、店頭で野菜や果物を販売する「野菜市」を始めた。「カット野菜の市場ではセブンは約2割のシェアがありますが、ホール野菜はまだまだ。野菜市をする店舗を増やしながら、認知度を上げていきたい」

生鮮品=スーパーというイメージが強いが、あえて挑戦する。「ただニーズに応えるだけではなく、今までなかった需要をつくることも必要。平日ほとんどスーパーに行かない人が会社帰りにセブンで果物を見つけたら買うかもしれない。本気で取り組めば、野菜果物の市場全体が広がる可能性だってある」

仕事をする上で、上位職ほど前向きであるべきだと考えている。「新しいことにどんどん取り組んで、地域の中でセブンの存在価値を高めていきたいと思います」

石川 恭子

内竹 善哉 | うちたけ よしや

略歴
1969年 神奈川県生まれ
1987年 専修大学松戸高校 卒業
1991年 専修大学商学部 卒業
    (株)日本化薬 入社
1996年 (株)セブン-イレブン・ジャパン 入社
2005年 千葉ゾーン千葉地区責任者
2010年 市原地区責任者
2012年 南九州ゾーン宮崎北地区責任者
2013年 千葉ゾーン ゾーンマネジャー
2016年 北海道ゾーン ゾーンマネジャー
2019年 岡山・四国ゾーン ゾーンマネジャー

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