通信インフラとサービス力で
四国をICTの先進事例に

NTTコミュニケーションズ 四国支社長
ドコモビジネスソリューションズ 取締役・四国支社長 西田 典了さん

Interview

2025.02.20

関西で過ごした学生時代は、携帯電話やインターネットサービスの黎明期だった。「ネットにつながればいろんなことができそう」とNTTドコモに入社した当初は、サービスよりも携帯の中身をつくることに興味があったという。「肌身離さず持つものだから、財布や地図の機能を付けたらどうだろう、なんて周囲と話していました。それがほんの数年後に実現してしまいましたから、そのくらい可能性にあふれていた時代です」と振り返る。

システム開発を軸に 少しずつ視野を広げて…

実際の配属は、ドコモショップの顧客情報・端末管理を担う情報システム部だった。「全国3000店舗、約3万台の窓口端末を可用性高く維持する開発業務で、ミッションクリティカルかつ巨大な基幹システムを支える責任と面白さを実感。提供するサービス情報や店舗の経営情報を把握でき、会社全体を見る目が養われました」。小学生の時からプログラミングが好きだったこともあり、要求水準もハードウェアのパフォーマンスもどんどん上がる渦中で開発と更改に打ち込む10年を過ごした。

2011年、アメリカで在米邦人向けのサービスを立ち上げるコアメンバーの一人としてニューヨークへ。東日本大震災と渡米が重なって慌ただしい中、震災直後の日本向け通信料無料などスピード感のある対応も実行。災害時の通信の重要性を痛感した出来事だった。

帰国後は、従来の社内システムをベースに外販展開を目指すドコモ・システムズのクラウド事業部で開発と法人営業に従事。「技術者として『いいもの』を追求しがちでしたが、お客さまにとってそれが本当に必要なものかは別問題。物事はバランスが大事だと、営業の仕事を通じて学びました」

20年に部長として着任したNTTドコモ法人ビジネス本部モビリティビジネス推進室では、「地域の交通をよりよくする」をコンセプトに、ICTを活用した運行管理やオンデマンド交通サービスなどを全国50カ所ほどで実証。さらに営業向けの技術支援に従事していた第一法人営業部で22年のNTTドコモグループの経営統合を迎え、NTTコミュニケーションズ所属となった。「業務自体は変わりませんが、携帯サービスと回線事業が統合したことでメンバーも技術ノウハウも増え、提案の幅が広がりました」

地域と連携して 社会課題解決に貢献

24年6月、NTTコミュニケーションズ・ドコモビジネスソリューションズ両社の四国支社長に就任。「四国は南海トラフ地震を見すえた防災の最前線」と位置づけ、「インフラを提供する会社として、通信の安定は大きなテーマ。防災はもちろん、地方都市に共通する課題である高齢化と若者の流出も視野に、行政と連携しながら効率のいいICT・IoTサービス確立の先進事例を目指したい」。既に高知や愛媛では実証が進んでいる例もあり、「ドコモグループのサービスを柔軟に組み合わせ、通信インフラを生かして四国の社会課題にどんなソリューションを提案できるかが鍵」と、力を込めて語った。
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戸塚 愛野

西田 典了 | にしだ のりとし

略歴
1975年 大阪府生まれ
1999年 京都大学工学部情報学科 卒
2001年 同   大学院情報学研究科知能情報学 修了
    株式会社NTTドコモ 入社
2013年 同 国際事業部(docomo USA, Inc.)担当課長
2015年 ドコモ・システムズ株式会社 クラウド事業部
2020年 株式会社NTTドコモ 法人ビジネス本部 モビリティビジネス推進室担当部長
2021年 同 第一法人営業部 担当部長
2022年 NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 事業推進部 担当部長
2024年 同 四国支社長
    株式会社ドコモビジネスソリューションズ 取締役・四国支社長

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