いつでも必要とされる存在に

JAF香川支部事務所長 渡邊泰介さん

Interview

2019.05.02

車のバッテリーが上がった、タイヤがパンクした…など、JAFといえば万が一の時に頼れるロードサービスのイメージが強い。しかし最近は、「トラブルの時だけではなく“いつでも使える”サービスにも力を入れています」

営業部門でのキャリアが長いが、仕事内容は時代の変化に合わせて変わってきた。入社当時は、車を購入した人にJAFのサービスを勧めてもらえるよう自動車販売店を営業でまわった。その頃は、まさかの時の“安心”が一番のアピールポイント。その後、会員証を提示すると飲食店や宿泊施設などでお得なサービスが受けられるといった、日常で使える特典についても訴求するようになった。「今、若者の車離れが進んでいて、JAFが当たり前のように必要とされるわけではない。その中でどうやって興味を持ってもらうのか。工夫が必要だと思います」

社会貢献にも積極的に取り組んでいる。徳島の所長時代には、「信号のない横断歩道で一時停止して歩行者を優先する」という意識を啓発する「思いやりティドライブ」を県や県警と連携して展開。2016年にJAFが県民自身に行ったアンケートで、交通マナーワースト2位だった徳島のマナーアップに取り組んだ。

「交通安全活動や自然を考えるイベント、自治体と連携した観光振興などの取り組みを通して、『JAFっていいことしてるよね』と思ってもらえればと考えています」

自分で考え、仕事を楽しむ

エコドライブ講習の様子

エコドライブ講習の様子

中学時代からずっとテニスを続けている。香川に赴任してからは時間が取れていないが、以前はスクールに通い、サークルにも所属していた。「ただがむしゃらに練習してさっさと帰るのは面白くないから、スクールでは一期一会を大切にしてなるべくその日会った人と話をするよう心がけていました」。テニス自体も楽しかったが、友人が増え新しい世界が広がったという。今やっていることにどんな目的をもってどう向き合うかで結果は変わる。

それは仕事も同じ。やらされていると思うのではなく、自分で新たな発想を加えて行こうと意識すると、仕事は楽しくなると考えている。「支部の職員にも仕事が楽しいと思ってもらいたい。自分のアイデアが形になって、それが香川の人の役に立っていると評価されると、やりがいも出てくると思います」

香川での新たな取り組み

小豆島オリーブ公園で

小豆島オリーブ公園で

香川に赴任してから、「香川支部活性化プロジェクト」を立ち上げた。部署ごとの垣根をなくして新たなアイデアを生み出す試みだ。

そのアイデアの一つとして今、香川県立保健医療大学と連携して「高齢ドライバーの安全」についての取り組みを計画している。高齢ドライバーの事故原因の一つに「認知機能の低下」が指摘されている。そこで、保健医療大学と共同でどうすれば認知機能が活性化し安全運転に生かせるのか研究を進めたいという。

また現在、県内7つの市町と観光協定を結び、地域の魅力を会報誌などで全国に発信しているほか、自社のサイトで地元の名産品販売にも取り組んでいる。

「やり方は変わっても、車社会の安全を支えるという基本は変わりません。そのベースを大事にしつつ、香川で新しい取り組みに挑戦していきたいと思います」

石川恭子

渡邊 泰介 | わたなべ たいすけ

略歴
1964年 広島県生まれ
1987年 JAF入社
2006年 兵庫支部会員拡張課長
2008年 兵庫支部総務課長
2012年 京都支部総務課長
2015年 徳島支部事務所長
2018年 香川支部事務所長

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