水泳に尺八、写真…多くの特技生かす

高松市副市長 松下 雄介さん

Interview

2016.02.18

高松は単身赴任者に優しいまちだと話す。「自然と都市のバランスが取れていて、気候が良く過ごしやすい。よそ者だから分かる良さでしょうか。数字で表せない価値がある。ホスピタリティや寛容性というようなイメージですね」

地方勤務は新潟、千葉に続いて3度目だが、今回初めての単身赴任だ。悪戦苦闘しながら料理にも挑戦している。「地元の旬のものを食べるように心掛けています。郷土料理のマンバのけんちゃんも作ってみました」。まずは高松や香川の魅力を知り尽くしたいと言う。

芸は身を助く

特技を生かして様々なイベントに参加している。中学時代は水泳部で、泳ぎは今も得意だ。昨年は、着任後すぐに市民遠泳大会に出場。香東川河口から大的場海岸までの約2キロを泳いだ。

大学では尺八サークルに所属していたため、演奏はお手の物。高松市内の各地区の敬老会を訪問した際に演奏した「一合まいた」や「瀬戸の花嫁」は参加者に喜ばれた。栗林公園の商工奨励館で、クルーズ船のレセプションパーティーが開催された時にも腕前を披露。ジャズナンバーの「ムーンライト・セレナーデ」を尺八用にアレンジして演奏した。「芸は身を助くと言いますが、喜んでもらえると嬉しいですね」。妻と二人の子どもたちは琴を演奏するため、家族での合奏も楽しむ。

休日は晴れていると、自転車に乗って写真を取りに行く。栗林公園や屋島、峰山などに出掛ける。高校では写真部だったと言うから、その多芸ぶりには驚かされる。サイクリングやジョギングも好きで、新潟勤務の時にはマラソン大会に出場。高松では、高松けいりんで開催されたロードバイク教室に参加した。

コンパクト・エコシティの実現を

これまで建設分野の仕事に長く携わってきた。印象的だった経験は、留学と地方勤務だ。入省して建築基準法の改正に携わった後、アメリカ・ニューヨーク州の大学院に留学。公共経営学を学んだ。「知らない世界に飛び込んでみたい。海外から見た日本はどんなふうなのか、知りたいと思いました」

新潟勤務は北陸地方整備局で用地取得の管理に当たった。現場の最前線で働く職員の声を聞き、インフラ整備の一言では言い尽くせない仕事の幅広さを感じた。

千葉県庁に5年間出向し、企業誘致と政策企画にも携わった。企業誘致の担当では県庁への問い合わせの数で、景気の動向を感じた。政策企画では、千葉県の計画作成に携わり、首都圏の自治体との連携を図るほか、全国知事会議の準備に奔走した。

高松市では環境・観光・インフラなどの分野を担当している。「まずは四季を全て経験して、土地や行事のことを詳しく知りたい。2年目は更に積極的に参加して、感じたことを誘客に生かせたら。自分なりの視点やこれまでの経験から、コンパクト・エコシティの実現に尽力したいですね」

松下 雄介 | まつした ゆうすけ

略歴
1971年10月 埼玉県生まれ
1995年 3月 東京大学法学部 卒業
1995年 4月 建設省 入省
2001年 9月 国土交通省 北陸地方整備局 用地部用地第一課長
2003年 8月 総合政策局 貨物流通施設課長補佐
2011年 4月 総合政策局 建設市場整備課 専門工事業高度化推進官
2011年 7月 土地・建設産業局 建設市場整備課
       専門工事業高度化推進官
2012年 7月 住宅局 住宅総合整備課 賃貸住宅対策官
2012年10月 国土交通副大臣秘書官事務取扱
2013年 4月 大臣官房総務課企画官
2014年 5月 土地・建設産業局 建設市場整備課 労働資材対策室長
2015年 7月 高松市副市長

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