禁煙貯金で購入した大型ハーレーに乗る

キリンビールマーケティング 中四国統括本部副本部長兼香川支社長 山神 裕司さん

Interview

2012.10.18

ビール業界の競争はし烈だ。ストレスは1580㏄の大型オートバイ「ハーレーダビッドソン」に乗り、体に伝わるエンジンの音と振動、吹き抜ける心地よい風に癒してもらい、解消する。

タバコやめて1日500円貯金

2003年に禁煙した。タバコを買ったことにして1日500円貯金した。8年たった去年、少し足せば、ずっと前から欲しかった大型ハーレーが買える額に達した。迷わずハーレーを買った。それまではヤマハ発動機の1100㏄に乗っていた。同じ大型オートバイでもハーレーはひと味もふた味も違う。丸1日完全オフにできる日は、必ず行程200キロ程度のショートツーリングを楽しむことにしている。

オートバイの魅力を知ったのは大学生のとき。卒業後は、日本ハムに就職、転職したユニリーバ・ジャパンで量販店営業の専門家になった。ビール業界はアサヒビールがドライを発売し、業界地図が塗り替わるほど激動期に入った1990年代初頭、キリンは他業種から広く人材を募り、それまでのキリンのカラーを変えようとした時期があった。そのとき量販店に強い人材としてキリンビールに途中入社した。「ビール業界には前々から非常に興味があり、応募しました」

キリン入社後は主に首都圏で販売の第1線に立った。2010年春、九州統括本部福岡支社長になり、東京を離れた。社内で「業務用」と呼ばれる福岡の飲食店向け販売の責任者。「早く言えば、博多のネオン街『中洲(なかず)』担当です」

今年元旦からキリンは製造と宣伝・広告部門のキリンビール本体と営業・販売を受け持つキリンビールマーケティングに分社した。全国の営業部隊はキリンビールマーケティングに属することになった。高松へは今年3月から。中四国統括副本部長として四国全域の量販店営業に責任を持ち各県の支社長をサポートする。香川支社長としては繁華街の飲食店や居酒屋、焼き肉店、焼き鳥店の売り上げが肩にのしかかる。酒税の税率の違いから「ビール」「発泡酒」と長引く消費者の懐具合に応じて進化してきて今は「第3のビール」の時代。キリンの製品で言えば、「のどごし〈生〉」。のどを越すシャープさをさらにシャープにした「新・のどごし〈生〉」も発売された。他社は同様の競合製品をぶつける。開発競争もあるが、販売競争もある。

昼は「量販店」、夜は「飲食店」回り

スーパーなど量販店ではキリン製品の陳列のされ方、位置などいろんなところをチェックしてゆく。気づいた点は直ちに担当者に伝える。飲食店では、雑談しながらキリン製品にうまく店主やママを誘導してゆく。

香川支社長の仕事は、ほかにもある。たとえば、東北大震災を機に昨年から復活したキリンの全国キャンペーン「2012選ぼうニッポンのうまい!」で都道府県ごとに料理・食材を一品選ぶ。福岡支社長最後の仕事で福岡県がブランド化を進める「博多和牛・焼しゃぶ」を推薦し、香川支社長最初の仕事で香川県の意見を聞きながら「たいらぎ貝柱味噌漬・一夜干し」を選んだ。

通常、土曜日は疲れた胃袋を休める日にしている。単身赴任だから、日曜と祝日が重なり連休になったら妻が待つさいたま市大宮区に帰らなければならない。完全オフになる休日は実は少ない。高松市のサンポート地下に月額5000円で借りた大型オートバイ専用スペースから愛車 「ハーレー」を出し、ツーリングを楽しめる日はわずかしかない。それでも徳島まで走り鳴門のうずしおを見物した。西へは、まんのう町を経由して琴平町まで走らせ金毘羅(こんぴら)さんに参った。もう少ししたら、四国各地を遠征ツーリングして回る予定。大型オートバイを走らせるのは、楽しみであり、生きがいだ。

山神 裕司 | やまがみ ゆうじ

略歴
1960年12月10日 北海道生まれ
1983年3月 札幌学院大学商学部 卒業
1991年1月 キリンビール株式会社 入社
2005年9月 首都圏統括本部関信越流通部 部長
2007年3月 首都圏統括本部関東流通部 部長
2008年9月 首都圏統括本部首都圏流通部 部長
2010年3月 九州統括本部 福岡支社長
2012年1月 キリンビールマーケティング株式会社
       九州統括本部 福岡支社長
2012年3月 中四国統括本部 副本部長兼香川支社長

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